安保法案:合言葉は「賛成議員を落選させよう」

毎日新聞 2015年09月17日 11時01分(最終更新 09月17日 13時21分)

国会前での安保関連法案反対集会で安倍政権の退陣を求めて声を振り絞るSEALDsの奥田愛基さん=2015年9月15日、後藤由耶撮影
国会前での安保関連法案反対集会で安倍政権の退陣を求めて声を振り絞るSEALDsの奥田愛基さん=2015年9月15日、後藤由耶撮影

 ◇国会前で、街頭で、ネットで、野火のように広がる

 安全保障関連法案に反対する人々が集まる国会前で、各地の街頭で、ネット上で、一つの合言葉が野火のように広がっている。「(法案)賛成議員を落選させよう」。来年の参院選をにらみ、抗議のうねりが「落選運動」へと発展する可能性が出てきた。

 今月11日、国会前。「テレビでビートたけしさんが『選挙で呼びかけをした方がいい』と言っていた。じゃあさせてもらいましょう」。学生たちでつくる「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー、奥田愛基(あき)さん(23)=明治学院大4年=がひと呼吸置いて、声を張り上げた。「賛成議員を落選させよう」。参加者たちが鳴り物を打ち鳴らしながら大声で唱和する。

 16日、国会前で与党の参院議員の顔写真を並べ、落選を呼びかける人がいた。「強行採決がなされようとしている今、我々に残された手段は議員を揺さぶること」。シールズに刺激され60〜70代で結成した「OLDs(オールズ)」のメンバーで、建築作業員の枚田繁さん(66)だ。「法案が通っても来年の参院選まで声を上げようと話し合っています」

 ネット上では、法案が7月に衆院を通過したころから言及が増え始めた。「落選運動の準備しとこっと」「地元議員に非応援メッセージを送ろう」

 総務省によると、落選運動は他の候補を当選させる目的でなければ「選挙運動」には当たらない。ウェブサイトなどでメールアドレスを示す義務があり、虚偽の事実を広めれば罰則の対象となる。

 選挙プランナーの松田馨氏は「やり方次第だが、結果を出すことは難しい」と話す。それでも、シールズの中心で活動する筑波大大学院生の諏訪原健さん(22)は「『落選させよう』は、9月に入り増えているコール」と話す。「最後は選挙で自分たちの声を届けないといけない。法案が通って終わり、という動きにはしない。今起きていることを簡単に忘れる社会にはしたくない」【川崎桂吾、石戸諭】 それでも、シールズのメンバーで筑波大大学院生の諏訪原健さん(22)は言う。「最後は選挙で自分たちの声を届けないと。法案が通って終わり、という動きにはしない」【川崎桂吾、石戸諭】

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