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【政治】

声に背を向け 安保法案成立へ自公強行

 他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案をめぐり、与党は十六日夜、参院特別委員会での採決に向け締めくくり質疑を行おうとしたが、野党議員が反発して開会を阻み、緊迫したまま与野党の協議が十七日未明まで続いた。これに先立ち横浜市で開かれた特別委の地方公聴会では、公述人から採決に抗議する意見が出た。だが与党は公聴会の開催前の段階で、夜の質疑で審議を打ち切る方針を確認。特別委で質疑終了後に採決し、十七日の参院本会議で成立を強行する構えだ。 

 参院議院運営委員会の中川雅治委員長は十六日夜の理事会で、安保法案採決に備え、十七日に参院本会議を開催する日程を職権で決めた。

 これに先立ち民主、維新、共産、社民、生活の野党五党は党首会談を国会内で開き、首相問責決議案や内閣不信任決議案の提出を含めて「あらゆる手段」で成立阻止に全力を挙げる方針で一致した。民主党の岡田克也代表は会談後、記者団に「採決を前提とした締めくくり質疑は認められない」と述べた。

 野党は、与党が質疑を強行すれば、鴻池祥肇(こうのいけよしただ)委員長(自民)の不信任動議を参院に提出する。特別委や本会議では長時間の演説を繰り返して採決を阻む方針だ。

 特別委は十六日午後六時半から安倍晋三首相らが出席して開会予定だったが、多数の野党議員が委員会室の周辺に詰め掛け、与党側と小競り合いになった。野党議員が廊下で鴻池氏に「廃案だ」などと詰め寄る場面もあり、周辺は混乱。一時は山崎正昭参院議長の指示で衛視が鴻池氏の通路を確保し、野党議員とのつかみ合いで騒然とした。

 地方公聴会では、野党推薦の水上貴央弁護士が「公聴会が採決のための単なるセレモニーなら、申し上げるべき意見を持ち合わせていない」と抗議した上で、廃案を求めた。

 首相と公明党の山口那津男代表は十六日午前、次世代、元気、改革の野党三党首と国会内で会談し、法案採決の条件に関する合意文書に署名した。三党は法案に賛成する。

 

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