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【社会】

小学生の暴力が過去最多 低学年の増加が顕著

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 二〇一四年度に全国の小学校で認知された暴力行為は一万一千四百六十八件で、過去最多だったことが十六日、文部科学省が公表した「児童生徒の問題行動調査」で分かった。ここ数年、低学年の増え幅が顕著といい、文科省は「家庭の事情などにより、就学前の子どものしつけがうまくできていないケースがあるのではないか」と分析している。

 調査は、学校における子どものトラブルを把握し、対策を立てる参考にしようと、全国の小中高校、特別支援学校を対象に毎年実施。不登校や高校中退、自殺の件数なども併せて調べている。いじめについては岩手県矢巾町で中学二年の男子生徒(13)が七月に自殺した問題を受け、各教育委員会に再調査を指示しており、来月下旬に結果を公表する。

 学校内外で認知された殴る蹴るなどの暴力行為は、小学校が前年度の一万八百九十六件から五百七十二件増えた一方で、中学校は同時期比四千五百六十三件減の三万五千六百八十三件、高校は同千百十二件減の七千九十一件にとどまった。

 小学校の学年別で〇六年度と比較すると、一年生が五倍、二年生が四・三倍と、二〜三倍程度だった高学年に比べて増えた割合が大きかった。文科省が各教委に行ったアンケートには「感情がコントロールできず、ささいなことで暴力に至る事案が大幅に増えている」「指導されたことに腹を立てた一年生が、教師を何度も蹴った」といった回答が寄せられた。

 不登校は小学生二万五千八百六十六人、中学生九万七千三十六人、高校生五万三千百五十四人。前年度より小、中学生は増え、高校生は減った。高校生の中退は同期比六千五百二十人減の五万三千四百三人だった。

 自殺者は、同期比十人減の二百三十人。そのうち十一人が友人関係の問題、五人がいじめの問題を抱えていた。

 

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