中国発の相場急落、最良の避難先は台湾-世界のファンドから資金流入
2015/09/16 12:55 JST
(ブルームバーグ):中国の景気減速を発端とするアジア新興市場の相場急落に直面する投資家にとって最良の避難先は、中国のすぐ隣の台湾だ。
証券取引所のデータによれば、世界的なファンドは今月、台湾株の保有を拡大。その一方で、韓国やインド、インドネシア、タイの証券に投じていた資金を減らした。台湾株の指標、加権指数は今月これまでで米ドル建てで1.3%上昇。一方、上海とジャカルタの株価指数はいずれも約6%安。高利回り市場から資金が流出する中で、台湾ドルと円、シンガポール・ドルはいずれも9月に上昇した。
台湾積体電路製造 (TSMC)や和碩聯合科技(ペガトロン)などの台湾企業は米国でのハイテク製品需要拡大の恩恵にあずかっており、クレディ・スイス・グループとJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーは台湾株の投資判断を「オーバーウエート」としている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げ準備を進める中で、経常黒字が域内総生産(GDP)の14%相当あることも台湾ドルの支えになっている。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏(ニューヨーク在勤)は「中国やFOMCが絡んだ相場下落に台湾は対処しやすいとみられている。成長は鈍化しているが、台湾は新興市場の多くと比べファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が相対的に強い」と述べた。
原題:Asia’s Best Refuge From China Crash Is Just Next Door in Taiwan(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:台北 Justina Lee jlee1489@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Regan jregan19@bloomberg.net; Sandy Hendry shendry@bloomberg.net Tim Culpan, Cindy Wang
更新日時: 2015/09/16 12:55 JST