2015/05/15(金) 17:22:42
>それでは、スフェア細胞の多能性をどのように示すか。まず、細胞膜上に、その細胞が未分化であることを示すc-kit, Sca-1, E-cadherinタンパク質が存在することを免疫染色で確認している。また、胚性幹細胞(ES細胞など)で発現している特徴的な遺伝子のうち、Oct4, Nanog, Zfp296, Cripto, Gdf3, Utf1, Ecat, Esg1, Sox2, Fgf5が転写されていることを確認している[9]。Oct4を発現しているスフェア細胞にはさらに踏み込んで、遺伝子の発現パターンが胎児を形成する原始外胚葉に近いという。ES細胞と異なり、Rex1, Eras, Cdx2は転写されていない。さらに、生後4週のマウスの背面にスフェア細胞を移植するとテラトーマに似た組織が生じ、そのテラトーマ様組織には三胚葉すべての形質が見出されることを示している。テラトーマそのものでないのは、ES細胞やEC細胞由来のものに比べて大きさが小さく、Erasを発現していないためである。