難民問題:独首相「謝罪、それは私の国ではない」
毎日新聞 2015年09月16日 20時27分(最終更新 09月16日 22時10分)
【ブリュッセル斎藤義彦】難民を無条件で受け入れる方針を一時打ち出し、大量の難民が流れ込む原因を作ったと批判されているドイツのメルケル首相が15日、「緊急事態に難民に優しくしたことを謝罪すべきだというなら、それは私の国ではない」と反論した。物静かなメルケル首相が感情的に発言するのは珍しい。首相は難民問題を「解決できる」と改めて持論を述べた。
15日の記者会見で、首相は数千人のドイツ市民が駅などで難民を歓迎したことを称賛。「率直に言う。もし緊急事態に(難民に)優しい顔を見せたことについて、私たちが謝罪を始めなければならないとしたら、そんな国は私の国ではない」と述べた。
ドイツ政府はハンガリー・ブダペスト東駅などで難民が劣悪な状況で足止めされている事態を受けて今月初め、難民登録をしていなくても無条件で受け入れる方針を決定。その結果ドイツに6万人以上が流入した。与党内の保守強硬派から反発を受け、13日に国境管理の一時復活を決めた。