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 韓国最高裁判所は15日、有責配偶者(夫婦関係を壊す原因をつくった側)からの離婚請求を原則として認めない判決を下した。最高裁は「個人の幸せの追求よりも、家族と婚姻制度の価値を重視した」と説明した。

 韓国最高裁によれば、原告の夫は1976年に結婚したが、98年ごろ不倫相手との間に子供をもうけた。夫は2000年ごろから不倫相手と暮らしている。

 最高裁では裁判官7人が多数意見として判決を支持。6人が「事実上離婚状態にある関係を法律的に確認する方が合理的だ」との反対意見を述べた。

 最高裁は判決によって期待できる効果として、「海外に比べて高い我が国の離婚率の増加を抑止できる」とした。最高裁によれば、08年現在の人口千人あたりの離婚件数は日本2件、英2・4件、韓国2・6件などとなっている。

 韓国では今年2月、制定から62年ぶりに姦通(かんつう)罪が廃止された。15日の最高裁判決では通信社が速報する一方、テレビ各社も裁判所前で生中継するなど、韓国社会で強い関心を呼んだ。(ソウル=牧野愛博)