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JR放火事件 男の自宅から複数の液体入ったボトル
9月16日 17時35分

JR放火事件 男の自宅から複数の液体入ったボトル
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東京都内のJRの施設などで相次いだ放火事件で、品川区の変電所の事件に関わったとして逮捕された42歳の男の自宅から、燃料用のアルコールとみられる液体が入ったボトルが複数押収されていたことが分かりました。警視庁は事件に使われた疑いがあるとみて詳しく調べています。
東京都内のJRでは、品川区のJR東日本の変電所で敷地の一部が焦げたほか、渋谷区や目黒区、それに中野区などでケーブルや架線の一部などが焼けるなど、先月以降に分かったものだけで放火事件が8件相次ぎました。警視庁は防犯カメラの捜査などから、東京・武蔵野市に住む自称、ミュージシャンの野田伊佐也容疑者(42)が品川区の変電所の事件に関わった疑いが強まったとして威力業務妨害の疑いで逮捕しました。
警視庁によりますと、調べに対し野田容疑者は「やったことはやった。業務妨害とは思っていない」と供述しているほか、変電所以外にも複数の放火に関わったという趣旨の供述をしているということです。
これまでの調べで、8件のうち変電所など4つの現場では、ペットボトルや針金が見つかり、何らかの液体を使って放火されたとみられていますが、野田容疑者の自宅の捜索で、燃料用のアルコールとみられる液体が入ったボトルが複数押収されていたことが分かりました。警視庁が調べたところ、この液体は東京・北区の現場で見つかったペットボトルに残っていた液体と同じような成分だったということです。
警視庁は押収された液体が事件に使われた疑いがあるとみて分析を進めるほか、野田容疑者が一連の放火事件に関わったとみて捜査しています。

事件前現場4件の画像投稿

野田容疑者は一連の放火事件8件のうち、少なくとも4件の現場を事件が起きる前に撮影し、画像共有サイトにみずからのアカウントで投稿していました。画像や書き込みの内容などから、警視庁は一連の事件との関連をうかがわせる内容とみて調べています。
逮捕容疑となった品川区広町にある変電所の現場では、火がつけられた現場に向けて画像が撮影され、事件の10日ほど前に投稿されていました。画像と合わせて「すごいことになる」という趣旨の書き込みもされていました。
品川区大崎の線路の高架脇では、ケーブルの近くにある草などが焼けましたが、事件の数日前に、現場を撮影した画像が投稿されていました。火がついたものを投げ込むなどと読み取れる文章も書き込まれていました。
その後、投稿された画像はどこで撮影されたか分かっていませんが、ペットボトルが草むらに置かれているのが確認できます。変電所やケーブルの火災が起きた品川区の「広町」や「大崎」といった地名も書かれていました。
目黒区の山手線では、半月ほど前に架線を支える滑車が焼けているのが見つかりました。ここでは線路をまたぐ橋の上からペットボトルをひも状のものでつるし、滑車に接触させている様子を撮影した画像が、1か月余り前に投稿されていました。2週間以上、見つけられていないなどという書き込みもありました。
北区の踏切付近ではケーブルを覆うカバーが焼けました。この現場でケーブルを撮影した画像が事件の2か月前のことし6月、投稿されていました。ここのケーブルを切ると、都内の電車に影響が出ると読み取れる内容も書き込まれていました。
さらに一連の事件では確認されていない新たな現場とみられる画像も投稿されていました。変電所の現場から500メートルほど離れた場所で、「高電圧」と書かれた装置やケーブルが置かれていました。現場には木が焦げている痕跡が残されていました。

専門家「画像投稿は自己承認欲求か」

逮捕された野田容疑者がインターネットの交流サイト=SNSに一連の事件との関連をうかがわせる内容の画像を多数投稿していたことについて、犯罪心理学が専門の東洋大学の桐生正幸教授は「連続放火の場合、その動機は『地域に認められていない』『社会に認められたい』という自己承認欲求や劣等感が強い場合が多い。野田容疑者も自分のパフォーマンスを広く知らしめたいとSNSにいろいろなものを投稿していたとみられる」と指摘しています。そのうえで、「広く注目を集めるためにSNSは非常に有力なので、犯行の手段や犯行後の自己表現に使用されるケースが増えていくのではないか」と述べました。

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