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【大相撲】

吹き止まぬ嘉風 鶴竜も撃破 2日連続で金星

2015年9月16日 紙面から

連日の金星で長女の梨愛ちゃん(左)から祝福のキスを受ける嘉風。右は長男の凌聖君(神代雅夫撮影)

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◇秋場所<3日目>

(15日・両国国技館)

 平幕の嘉風(33)=尾車=が鶴竜(30)=井筒=を押し出し、前日の白鵬戦に続いて横綱を破った。2日連続の金星は、昨年名古屋場所の大砂嵐以来。2日目まで連敗した白鵬(30)=宮城野=は「左大腿(だいたい)四頭筋腱炎(けんえん)で4週間の加療を要する見込み」と診断され、2007年名古屋場所の横綱昇進以来初めて休場した。今場所は治療に専念する方向。横綱日馬富士も休場しており、賜杯争いは混戦が予想される展開となった。

 連日、館内に座布団を乱舞させた。嘉風の勢いも笑いも止まらない。

 「不思議な感じですよ。自分がもう一人いて横から見ているような。人ごとみたいな感じです」

 取組前からテンションは上がっていた。白鵬の休場で白鵬−碧山戦から変更になった23本と合わせて37本(手取り111万円)の懸賞の束が目に入った。「『あれ取ったら気持ちいいだろうな』と。発奮材料にしました」とニンマリ。4個目の金星と一緒に臨時収入までゲットした。懸賞獲得本数は計50本となり、隠岐の海と並んでトップに立った。

 前日、白鵬を破った後はほぼ記憶のないくらい無我夢中だったが、この日は「最初ちょっと引いたが、正気になって下からあてがって…」と流れを完璧に覚えていた。鶴竜を引かせるほど前に出て押し出した。「いい相撲取ったな、俺」。自分に酔った。

 愛夫人(36)が験を担ぎ、この日も家族が観戦した。白鵬から初勝利を挙げた時と同じように長女・梨愛(りあ)ちゃん(6)からキスで祝福された。前日に来られなかった長男・凌聖(りょうせい)君(1)も含めて2人を抱きかかえる。「(2日目に)娘にキスされたのが効いたかもしれない」と勝利の女神に照れ笑いを浮かべた。

 前夜はテレビのスポーツニュースを全てチェックしたそうで「きょうもやる。そこは験を担ぐでしょ」と白い歯を見せた。4日目は3連勝中の照ノ富士と当たる。「やることは変わらない。とにかく力を出し切る。楽しむ」。2桁勝利を挙げた夏、名古屋の2場所で実践できつつあるこの「2カ条」だけを頭に置いて、気分良く大関も仕留めに行く。 (永井響太)

 

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