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韓国企業は「紙クズ」寸前、格付けの米S&Pが警告 中国経済依存のリスク露呈
為替はこのところ、ウォン高から一転してウォン安が進んでいる。輸出産業にとっては追い風となるはずだが、韓国銀行(中央銀行)は逆にウォン安を阻止しようとウォン買いドル売り介入を行ったとみられる。外貨準備高が7月、8月と2カ月連続で減少していることがその傍証だ。
韓国当局がウォン安への危機感が強いのは、1997年のアジア通貨危機やリーマン・ショックのあった2008年、韓国はウォン安で困難な状況に陥った苦い記憶があるからだ。すでに韓国株は外国人投資家を中心に売られているが、ウォン安が進めば資金の国外流出が一段と加速しかねない。
このためか、景気低迷が深刻ななかでも、韓銀はウォン安につながる追加利下げを見送っている。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「今後、米国が利上げすると韓国からの資金流出はさらに増える。これを阻止するには韓国は追随して利上げするしかないが、低迷する景気にさらに打撃となる。身動きが取れない韓国経済は苦境に直面している」と指摘する。政策のバックアップも受けられないまま、韓国企業は沈んでゆくのか。