JR不審火:「電力の大量消費許せない」容疑者が供述

毎日新聞 2015年09月16日 15時00分(最終更新 09月16日 13時06分)

野田容疑者が写真共有サイトにアップしたペットボトルなどが写った写真
野田容疑者が写真共有サイトにアップしたペットボトルなどが写った写真
焦げたペットボトルのような物がぶら下がっていたと見られるJR中央線架線下のワイヤ。一部が焦げているように見える=東京都国分寺市で2015年9月5日、丸山博撮影
焦げたペットボトルのような物がぶら下がっていたと見られるJR中央線架線下のワイヤ。一部が焦げているように見える=東京都国分寺市で2015年9月5日、丸山博撮影

 東京都内のJR施設や線路脇で不審火が相次いだ事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された自称ミュージシャン、野田伊佐也容疑者(42)=東京都武蔵野市吉祥寺東町3=が、複数の不審火への関与を認め、「大量に電力を消費するJRが許せなかった」と動機を供述していることが捜査関係者への取材でわかった。インターネット上の写真共有アプリに線路やペットボトルが映った画像が大量に投稿されていたことも判明。事件現場の状況に似た画像があり、警視庁は野田容疑者が投稿したとみて調べている。

 ◇現場写真を投稿か

 写真共有アプリには8月に大量の投稿があった。ペットボトルに針金のようなものが巻かれた画像や、線路上の架線近くにペットボトルが置かれた画像があった。「品川→広町→大崎だけで3点完了」などと不審火の発生場所に共通する地名を挙げた書き込みもあった。野田容疑者とみられる人物の写真も同じアカウントで投稿されており、この人物がアルコールの容器を手にしている画像も見つかった。

 8月中旬から7件発生した不審火では、複数の現場から針金やペットボトルが見つかっており、警視庁は事件現場の状況と画像との関係を調べている。

 野田容疑者の逮捕容疑は、8月23日午後7時半ごろ、品川区のJR東日本品川変電所敷地にあった高圧ケーブルの周辺に火をつけ、ぼやを発生させてJR社員らの業務を妨害したというもの。

 警視庁は野田容疑者宅の捜索で黄色いテンガロンハットと赤い自転車を押収。渋谷区の山手線の線路脇で発生したケーブル火災の現場付近でも、似た帽子をかぶった赤い自転車に乗る男が防犯カメラに映っていたことが判明している。【山崎征克、神保圭作、深津誠】

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