今月11日、大邱にある陸軍歩兵第50師団の新兵訓練場で訓練中に手りゅう弾が爆発し、指導を行っていた27歳の中士(軍曹に相当)が死亡、20歳の訓練兵など2人が負傷する事故が発生した。昨年9月にも慶尚北道浦項市の海兵隊訓練場で手りゅう弾が爆発する事故が発生したが、国防部(省に相当)は14日、昨年爆発した手りゅう弾と今回爆発した手りゅう弾は同じ年(2005年)に同じ工場で製造されたものであると明らかにした。浦項では当時19歳だった訓練中の兵士が持っていた手りゅう弾が突然爆発し、死亡する事故が発生している。
昨年の事故直後、爆発した手りゅう弾と同じロット番号(製造年や製造工場などを示す番号)の手りゅう弾のうち、1010個を国防技術品質院が無作為で取り出し検査を行ったところ、手りゅう弾そのものに問題はないとの結論を下した。それから1年後、同じような事故が再び起こったのだ。
今回の事故を受けて韓国軍は「統計的に見て、サンプルによるテストは0.01%ほどの誤謬(ごびゅう)可能性を最初から念頭において行われるため、100%完璧とはいえない」と説明している。韓国軍は事故直後、同じロットの手りゅう弾全てについて全数調査を行うとしていたが、14日になって突然「無作為で取り出した2020個のサンプルについてのみ検査を行う」と方針を見直した。韓国軍関係者は「現在、同じロットの手りゅう弾は5万5000発以上あるが、これらを全て検査するのは現実的に無理だ」と語る。韓国軍は昨年の2倍に当たる2020発の検査を行うとしているものの、これ以上詳しい検査はできないとしている。しかし今回もいわゆる「0.01%の統計的誤謬」の可能性は排除できない。
爆発した手りゅう弾はK413(KG14)系列とされるもので、この系列は昨年4月に行われた定期試験において、2011年に製造された30発のうち6発が投げてから3秒以内に爆発する致命的な欠陥が発見された。このような検査結果が出たのであれば、本来なら製造年に関係なく全ての手りゅう弾を検査すべきはずだ。国防部による今回の発表直後、ある陸軍関係者は「このままでは兵士たちが戦場で思う存分手りゅう弾を使用することができない」と語る。ネットでは「手りゅう弾のテストを行うときは、まず幹部が先に投げてみてはどうか。そうすればもっと確かなテストができるはずだ」といった書き込みも見られた。