「原口好き」を囁かれるハリルホジッチ監督
代表ウィーク明けの週末。各国リーグで日本人選手が活躍した。
先日のコラムで書いた「代表での移動が、欧州リーグの日本人選手に悪影響を及ぼさないか？」という僕の心配はまったくの杞憂だったようだ。まあ、最終的にイランからの移動だったので時差の影響が少なかったのだろうが（埼玉スタジアムでの試合前には、彼らには日本時間に適応するほどの時間はなかった）、各選手の努力にまずは敬意を表しておきたい。
ただ、それでもレスター・シティの岡崎慎司が前半だけで交代を命じられてしまい、終盤での大逆転劇に参加できなかったのは代表活動の影響なのだろう。前半の岡崎はレスターの好守の要となっており、けっして悪い出来ではなかった。それなのにハーフタイムに退いたのは、本人のコンディションというより、ラニエリという監督が代表明けの岡崎のコンディションを信頼しきれなかったからなのであろう。
そんな日本人選手活躍のニュースの一つが、「原口元気（ヘルタ・ベルリン）の今季初ゴール」だった。
日本代表でもアフガニスタン戦で先発出場を果たした直後の試合でのゴールである。
シュツットガルト戦前半14分の原口のゴールは、ペナルティエリア内右サイドでグラウンダーのパスを受けて右足で切り返し、早いタイミングで左足を振りぬいたもの。判断とプレーの速さが生んだゴールだったと言えよう（まあ、この際、相手守備陣のマークの甘さということには目をぶる）。
かつて、浦和レッズに所属していたころの原口はドリブルのうまいアタッカーだった。だが、ドリブルで待ち構えている相手守備陣の壁に向かって突進するだけの選手のように、僕には見えたので、「ポテンシャルがあるのは間違いないが、球離れなど意識改革ができるかがカギ」とも思っていた。
それが、ドイツに渡ってからプレー・スタイルにも明らかな変化が見られるようだ。
ドリブルという自らのストロングポイントは生かしたまま、パスやシュートのタイミングが著しく向上したようなのだ。「パスの正確さ」という意味ではなく、味方が動き出した瞬間にパスを出せる。そういう意味でのスピードが進歩したということだ。
シュツットガルト戦でのゴールも、パスを受けた瞬間にその後の自らのプレーとシュートコースについてのイメージができていたように見えた。
そして、今の原口には「勢い」のようなものがあり、その勢いが自信につながっている。先日のアフガニスタン戦で日本代表での先発出場を果たしたことも、自信につながっているのだろう。
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