切込隊長

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切込隊長(きりこみたいちょう、1973年1月4日[1] - )は日本ブロガーライター。イレギュラーズアンドパートナーズ(I&P)株式会社代表取締役社長。本名山本 一郎(やまもと いちろう)。


目次

[編集] 来歴・人物

[編集] 2ちゃんねるに関わる以前

慶應義塾中等部から慶應義塾高等学校を経て慶應義塾大学法学部政治学科に入学[2]したが1年留年した [3] 。一年の留年後、卒業して国際電気(現在の日立国際電気)に入社した[4]しかし半年で同社を退社した[5]

[編集] 2ちゃんねるとの関わり

2000年頃、匿名掲示板2ちゃんねる管理人西村博之ハンドルネーム「ひろゆき」)と出会った。山本は西村と組んでネットラジオや各種イベントに出演するなどし、山本一郎の名前が2ちゃんねるを中心に知られるようになる。

2002年1月4日には、2ちゃんねる本[6]の出版を記念し、井上トシユキ、ひろゆき、山本一郎が出版イベントを新宿ロフトプラスワンで行った。

[編集] ブロガー・ライター

山本のブログサイト「俺様キングダム」は山本の私生活、ビジネスからサブカルチャーまで幅広いジャンルを扱い、その辛口コメントと独特の文体が注目され、数多くのアクセスを集めた。「Blog of the Yeah!2003」受賞、「日本のアルファーブロガーを探せ2004」で選出されている。なお、「Blog of the Yeah!」は2003年以降行われていない。

ライターとして幾つかの雑誌で連載を持っていた。そのテーマはインターネット、金融、経済、サブカルチャーなど多岐にわたる。『ニッポン経営者列伝 嗚呼、香ばしき人々』(2004年扶桑社)、『けなす技術』(2005年ソフトバンククリエイティブ )、『”俺様国家”中国の大経済』(2005年文藝春秋)など著書も出版する。それらの著者プロフィールでは山本は「天才投資家」として紹介された。

またテレビラジオ、講演やトークイベントでも精力的に活動。新宿区歌舞伎町新宿ロフトプラスワンでは『ビール党』というイベントを開催してファンを集めた。

2002年、フリーライター・井上トシユキらとthe Kitchen Guys Bandというバンドを結成、ギターを担当する。ただしバンドは2004年7月のライブを最後に活動を停止している。

[編集] 社長や取締役としての活動

山本一郎が雑誌などに登場するときに使われる肩書きが「イレギュラーズアンドパートナーズ社長」である。主な事業としては、パソコンゲームの「インペリアルフォース2」の作成、(そのプレスリリース[1]制作発表会の様子[2]ゲームレビュー[3])、ASP型のホームページ作成ツール「WebScooter」の販売[4]がある。

最強のSEO対策という本をスマートシステム株式会社の代表取締役である田村昌士と本を出版した関係で、スマートシステムの取締役も兼任している。

[編集] ひろゆきを提訴

2007年1月、東京地裁へ西村博之・2ちゃんねる管理人を名誉毀損で提訴した。訴訟では、「山本一郎」「切込隊長」と自身の名前やペンネームがついたスレッドを2ちゃんねるに今後建てないこと、そのほかの書き込みに対して200万円の損害賠償金を求めている。

2007年1月29日に行われた第1回口頭弁論には、普段訴訟に現れない西村も出廷。全面的に争う姿勢を示した。西村博之は裁判の中で「山本一郎という名前の人間は沢山おり、切込隊長という名前は日本のプロ野球界にもいる。」と反論した。夕刊フジによれば、西村博之が裁判に出席した理由として「原告が知り合いで楽しそうだから」と述べた。山本側は代理人の小倉秀夫弁護士が出廷しただけで、原告である山本一郎は欠席した。欠席の理由として「代理人が出ているのだから出廷する必要は無い」とし、「他の裁判には出てこないのに何だろう、僕だけVIP待遇?」と皮肉ったとされる[7]。3月の第2回口頭弁論では山崎勉裁判長に当事者同士で話し合う事を示唆された。ところが、5月の第3回口頭弁論では、西村博之も山本一郎も出廷せず。さらに2ちゃんねる上で西村博之への明確な殺意を表明した殺害予告と、傍聴人と思われる人物に殺害予告らしき書き込みがあり、東京地裁では警備員を2人法廷内に配置した[8]

[編集] 雑誌連載(2007年6月現在)

  • FLASH』(光文社) 「ネット人民共和国」(終了)
  • 『日経ベンチャー』(日経BP) 「困った会社見本市」(近日終了予定)
  • 週刊アスキー』(アスキー) 「切込隊長の燃料投下中」(近日終了予定)

[編集] 著書

  • 『美人(ブス)投票入門』(2004年、オーエス出版)4章に山形浩生との対談
  • 『投資情報のカラクリ』(2004年、ソフトバンクパブリッシング
  • 『ニッポン経営者列伝 嗚呼、香ばしき人々』(2004年、扶桑社
  • 『けなす技術』(2005年ソフトバンククリエイティブ
  • 『ヒルズではたらく社員の告白―ネット企業って、実際どうよ?』(2005年、洋泉社
  • 『最強のSEO対策! HTMLがわからない人から ウェブデザイン上級者まで』(2005年、ソフトバンクパブリッシング)
  • 『 ”俺様国家”中国の大経済』(2005年、文藝春秋
  • 『スカーレット・ソード』(2005年、ソフトバンクパブリッシング)※伊藤龍太郎との共著

[編集] 脚注

  1. ^ 切込隊長BLOG「31歳に、なりました。」
  2. ^産経新聞2003年11月30日朝刊
  3. ^ 慶応ジャーナル
  4. ^日経パソコン1997年12月1日号。
  5. ^ 『嗚乎、香ばしき人々』に記載のプロフィールによる。
  6. ^ 2ちゃんねる宣言―挑発するメディア (井上トシユキ、神宮前.org 株式会社文藝春秋 2001/12/07) ISBN 4163580506
  7. ^ 夕刊フジ夕刊フジ 2007年1月30日
  8. ^ ひろゆき氏、第3回口頭弁論出廷せず、渋井哲也、2007年5月8日、オーマイニュース

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク