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“国内最古級供養塔”製作年代を特定へ 金光寺から搬出

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分解した宝篋印塔を観察する狭川部長
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いわき市鹿島町の金光(こんこう)寺に保存されている、木造としては国内最古とみられる「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」と呼ばれる供養塔の調査が本格化する。調査を行う奈良市の元興寺文化財研究所職員らが15日、金光寺を訪れ、塔の搬出作業を行った。同研究所は16日に搬出、調査を経て10月24日から奈良市で開かれる仏塔の展示会に「目玉」として展示する。
金光寺を訪れた同研究所の狭川真一研究部長によると、現存する木造として国内最古の鎌倉時代に作られた可能性が高いという。宝篋印塔は鎌倉時代に国内で作られ始め、墓碑のほか、死者の冥福を祈る目的で使用されていたとされている。
同寺の塔は墓地に置かれていたため、石造りが一般的で、朽ちやすい木造は極めて珍しいという。本体の中が空洞となっており、遺骨が納められていたとみられる。また「文保」の文字が書かれており、1317〜18年に作られたと考えられ、調査では製作された年代や、使用された木の種類などの特定を進める。展示会は10月24日〜11月8日、奈良市の元興寺法輪館で「秋季特別展小仏塔の世界〜舎利奉納と遺骨埋納」と題し開催される。
(2015年9月16日 福島民友トピックス)
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