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<宮城豪雨>夜中に緊急メール 市民混乱も

 仙台市は10日夜から11日未明にかけ、記録的な豪雨で河川の氾濫や土砂災害の危険性が高まったとして、過去最多の延べ19万1347世帯、41万1743人に避難指示や避難勧告を出した。107万市民の約4割を対象とする前例のない措置。発令時刻が悪天候の夜中のため実際の避難者は計3094人にとどまり、情報伝達の在り方に課題を残した。
 市が出した緊急速報メールは9件。10日午後9時半から、ほぼ30分〜1時間ごとに次々に発信した。
 昨年8月に広島市で発生した土砂災害では避難勧告の遅れが指摘されたため、仙台市は頻繁に最新情報を生かして被害拡大防止に動いた。市の担当者は「避難の遅れだけは避けたかった。ただ今回は情報の追加が重なり市民を混乱させたかもしれない」と振り返る。
 担当者の間でも「大雨の夜に出歩くのは危険」との声が上がり、浸水地域では同じ建物の上階に避難する「垂直避難」を勧めた。
 勧告対象地域や避難場所を知るには市のウェブサイトやツイッターを閲覧する必要があるが、アクセスが集中し一時つながりにくくなる問題も。英語表記を求める意見も寄せられた。
 国と県の管轄が隣り合う広瀬川流域に避難勧告を出す際は混乱も発生した。国区域では広瀬橋の水位が2.7メートルの時点で避難を検討する基準があったのに対し、県区域では2.2メートルの時点と規定。結局、市は2.2メートルで勧告を出したが別の担当者は「国、県と事前に擦り合わせをしておくべきだった」と語った。

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http://photo.kahoku.co.jp/graph/2015/09/11/20150911khg000000000000c/001.html


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2015年09月12日土曜日

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