フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)のサービスのひとつ、インスタグラムはテキストではなく画像に基づいたシェアリング・プラットフォームなので、ファッショングルメなど、女性の関心事ととりわけ相性が良いです。このことはインスタグラムが広告プラットフォームとして高いポテンシャルを持っていることを意味します。

先週、フェイスブックはインスタグラムのアグレッシブな拡張計画を発表しました。新たに30カ国でインスタグラム広告が開始されます。現在のところインスタグラム広告は殆どフェイスブックの売上高に貢献していませんが、2016年には10億ドル程度を売り上げるとアナリストは見ています。

フェイスブックの過去のマネタイゼーション仕法をみると、単にバナー広告を表示するのではなく、ニュースフィードというカタチで、ユーザーがシェアや「いいね」しやすい方法で、有機的に広告を取り込んでゆくことで、うるさくなり過ぎない広告表示に成功しました。

インスタグラム広告でも、この例の如く、じっくりと作戦を練り、試行錯誤を繰り返したうえで、ウザくなり過ぎない表示方法を編み出してゆくと考えられます。

一方、既存のフェイスブック上では、4,000万にのぼる中小企業のフェイスブック・ページに対し、新しい動画による広告を提案することで、マネタイゼーションを拡大しつつあります。

新しい広告フォーマット、動画広告を打つ際の広告主の選択肢の拡大、ターゲッティングの改善など、収益機会の拡大に向けた小さな工夫もたくさん実施されています。

7月末に発表された先の第2四半期決算の発表では、EPS、売上高、その他の経営尺度の全てが予想を上回りました。

EPSは予想47¢に対し50¢、売上高は予想39.9億ドルに対し40.4億ドル、売上高成長率は前年比+38.9%でした。

とりわけARPUの改善の背景には、ターゲッティングが上手く行っていることが広告主の満足をもたらしていることを示唆していると思います。

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このように決算は良かったにもかかわらず、決算発表直後のフェイスブック株は軟調に推移しました。つまり事前の期待が高すぎたのです。

このような場合、投資家は決算ならびに決算発表後のカンファレンスコールでの細かいケチのつけどころは時間が経つとともに忘れ、EPS、売上高、ガイダンスの三点で、ちゃんと予想を上回ったかどうかだけを覚えているものです。

その点、同社の前回の決算はこれらのハードルをクリアしているので「土はついていない」と言えます。

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