韓国大統領府「北ミサイル発射は決議違反」 トーンは低め

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党創建70周年の前後に長距離ロケットを発射する可能性を示唆したことについて、韓国の青瓦台(大統領府)関係者は15日、聯合ニュースの取材に対し、予断を与えるような発言を控えるとの立場を示した。

 同関係者は北朝鮮の国家宇宙開発局長が前日に「衛星が飛ぶことになる」と発言したことに関し、「北の弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議に反しており、北のそうした挑発的な行為はまったく役に立たない」と指摘しながらも、発射されるか、予断を与える発言は適切でないとした。

 青瓦台の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官は15日の会見で、北朝鮮の発射示唆に対する韓国政府の対応などを尋ねられると、「予断を与えることになるため、特に話すことはない」と答えた。ただ、そうした行為は北朝鮮の助けにはならないだろうと述べた。

 青瓦台側のこうした発言は、韓国政府が8月25日の南北合意を土台に南北関係の改善を目指している状況を勘案してのものとみられる。すでに南北離散家族の再会に向けた実務的な手続きが進んでいる。韓国政府は合意の履行と関係改善を乱す北朝鮮の挑発行為を抑えるために外交的な努力を続けている。

 北朝鮮は発射の日時までは特定しておらず、韓国が先走って強硬対応に乗り出せば北朝鮮を刺激しかねないことも考慮したと考えられる。また、北朝鮮が発射を準備する具体的な兆候が捉えられていないとされることも関係がありそうだ

 しかし、専門家の間では、北朝鮮が労働党創建70周年に合わせ発射するとの見方が優勢だ。北朝鮮は2012年2月に非核化対話の再開へつながる米朝合意を結びながらも、4月に人工衛星打ち上げの権利を主張しながら発射を強行した前例もある。

 青瓦台は南北関係改善を本格的に話し合う当局者会談の提案時期にも頭を悩ませている。政府内では、北朝鮮が挑発行為を起こす前に実務協議を進め、北朝鮮が発射で全てを台無しにするのを抑止する努力をすべきだという意見と、北朝鮮の発射後に事態収拾の意味も含め協議するのが良いという意見の両方があるようだ。これに関し青瓦台関係者は、「状況を見ながら優先順位を決め、冷静に推進するという立場だ」と話した。

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