胸部の整形手術の最中に死亡した女性の家族に対しても、保険会社は死亡・後遺障害保険金を支払うべきだという裁判所の判決が下った。
ソウル中央地裁民事15部(キム・ジョンウォン裁判長)は14日、胸部の整形手術を受けていて死亡した女性の父親が保険金の支払いを求め、保険会社2社を相手取って起こした訴訟で「被告2社は原告に対し3億ウォン(約3060万円)を支払うように」と命じる判決を言い渡した。
死亡した女性は2012年12月、被告の保険会社2社のうち1社との間で、傷害により死亡した場合に1億ウォン(約1020万円)、もう1社とは同じく2億ウォン(約2040万円)の保険金を受け取る契約を交わしていた。保険約款は「傷害」について「急激かつ偶然な自宅外での事故により負った傷害」と定義している。
女性は昨年1月、仁川市内の形成外科病院で、麻酔薬「プロポフォール」による麻酔状態で豊胸手術を受けた。ところが、手術開始から1時間30分ほどたった時点で呼吸困難の状態に陥り、救急車で近くの総合病院に搬送されたが、意識を回復しないまま11日後に死亡した。
女性の父親は形成外科病院との間で、5億5000万ウォン(約5600万円)を受け取る内容の示談を済ませた。ところが、これと別途に請求した保険金について、保険会社2社は「偶然な自宅外での事故により負った傷害とはいえない」として、保険金の支払いを拒否したため、父親は錯塩8月に訴訟を起こした。
地裁は「大法院(日本の最高裁判所に相当)は傷害保険関連の事件で、医療上の過失により傷害が発生した場合、被保険者が手術に同意したとしても、医療上の過失によって傷害を負うことまで予見し同意したと見なすことは困難なため、『偶然な自宅外での事故』に該当するとの判例を示した。本件もこの判例に該当するといえる」と説明した。