【社説】他人に無駄な恥をかかせても自らを恥じることは知らない劉大運議員

 野党・新政治民主連合の劉大運(ユ・デウン)議員は14日に行われた国政監査において、姜信明(カン・シンミョン)警察庁長に「銃器使用法」の実演を求めた。劉議員は自ら準備してきたモデルガンを姜庁長に手渡し「拳銃をポケットに入れ、それを取り出して標的を狙って撃ってみろ」と発言した。モデルガンを受け取った姜庁長がとまどっていたところ、与党セヌリ党の議員らが劉議員に抗議した。劉議員と同じ新政治民主連合の議員たちからも「不適切な発言であり要求だ」といった声が上がると、劉議員は「遺憾であれば遺憾」と言いながら引き下がった。

 先月25日、ソウル市北西部の恩平区にある旧把撥軍警合同検問所で、ある警察官がふざけ半分で実弾入りの拳銃を義務警察官(兵役の代わりに警察に勤務する警察官)に向けたところ誤って発砲し、義務警察官が死亡する事故が発生した。取り調べの過程で、事故を起こした警察官は銃器使用法や安全規定などについて知らなかったことが分かり、また過去にも何度か義務警察官に拳銃を向けたことがあるとの証言も出たことから、今あらためて銃管理の実態に注目が集まっている。

 劉議員は警察を管轄する国会安全行政委員会に所属している。その立場から国政監査の場において今回の事件で明らかになった数々の問題を指摘し、再発防止策を追及することは議員として当然果たすべき義務だ。しかし国民が見守るこの国政監査の場で警察庁長を立たせ、拳銃の使い方を実践形式で説明するよう求めるのは、警察庁長に恥をかかせる意図があるものと言わざるを得ない。この状況を目の当たりにした13万人の警察官がどれだけ侮辱を感じたか、察するにあまりある。

 劉議員は今年5月のある日、深夜に自らの選挙区にある警察の地区隊(交番)を突然訪れ「地域住民に害を与える『バーバリー・マン』(裸でトレンチコートなどを着用し、人前でコートを広げる露出狂のこと)を捕まえろ」などと命令し、捜査の指揮を取ろうとして問題となった。この時は地区隊の警官らがこれに従わなかったため、管轄の警察署長に電話をかけて激しく罵倒したという。このような国会議員による傍若無人な行為はこれ以上放置すべきでない。

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