新作&おすすめアニメのすべてがわかる!「月刊ニュータイプ」公式サイト

rssボタン

ジョージ・ミラーの思い入れがすべての原動力に

2015年09月15日 20:50配信
ジョージ・ミラーの思い入れがすべての原動力に

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」より

(C)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

6月20日(土)に公開されるやいなや映画ファンの話題をさらった「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。その大ヒット映画のコンセプトアートアンドデザインを務めた日本人クリエイター・前田真宏さんに特別単独インタビュー。「マッドマックス」ファンならずとも見逃せない逸話の数々を3回に分けてお届けします。最終回となる今回は、あの作品との関係性についても話は及んで――。

■第3回「画の力がシンプルさを凌駕した『マッドマックス 怒りのデス・ロード』」

――フュリオサの元デザインに関しては、ジョーとは逆に髪の毛があったんですよね。

前田:アニメの場合、キャラクターの認識にシルエットと色が重要なので、髪の毛の果たす役割が大きいんです。被り物とかゴーグルを外した時、髪の毛がバサッとなったらカッコいいじゃないですか。ミラーさんにもそう説明して、赤毛の女性にすることに決めたんです。最初は和風なものも提案してて、マゲを結ってたり、ボルトとナットのかんざしみたいなものも考えてました。あと、髪の毛そのものは長いんだけど、編み込んでみたらどうかとか。ただ、坊主頭の案もあるにはありましたよ。幼い頃に盗賊にさらわれた彼女は、シタデル(ジョーの砦)に貢物として連れてこられたんだけど、いつか大人になったらジョーの妻にされてしまうから、そこから逃げ出してウォーボーイズに紛れて育つっていう話を考えてたんです。その段階でのイメージボードとしては、ウォーボーイズと揃えているので髪の毛を剃ってました。

――映画に流用されたデザインは、フュリオサとジョー以外にもあるんですか?

前田:シタデルの内部ですかね。風力・太陽光発電とそれを利用した水耕農場とか、エアードーム、あとトレッド・ミルと呼ばれるウォーボーイズたちが使う人力エレベーター等々です。絵コンテやイメージボードをつくっていたので、そこからウォーボーイズの雰囲気なんかをピックアップしてもらってました。今回、本当に美術部がいい仕事してますよ。シフトノブやダッシュボードのデコとか、そういうちょっとしたところにもミラーさんと話していたこと、彼らの精神世界が反映されていてすごく感心しました。「サンダードーム」でやりきれなかったことをうまくやっていて、今回は抜かりなくやってますよね。

――「サンダードーム」って、「マッドマックス」ファンの間では評価の分かれる作品ですけど、ジョージ・ミラーとしても不完全燃焼な部分があったんですかね。

前田:じゃないですかねぇ。後半の子供たちのくだりが要らないっていう人もいるけど、僕はけっこう好きなんですよ。結局、ティナ・ターナーというスターをフィーチャーするため、どこか不自然なシナリオ構成になってるというか。お金がたくさん入ってきて、いろいろとリッチなこともできてるんですけど、どこか未消化な感じはあって。今回、その辺をガッツリやろうっていう思惑はあったんじゃないですかね。

――ジョーの息子、コーパス・コロッサスとリクタス・エレクタスのチビデカコンビも、「サンダードーム」のマスター・ブラスターの焼き直しっぽいですしね。

前田:そうそう。「サンダードーム」って、やりたいことはわかるんだけど、少しカリカチュアがすぎたというか、デザインがすぎたというか…。それが理由なのかわかりませんが、ミラーさんは何度も“オーセンティック”という言葉を口にしてました。つまり見るからにデザインされたようなものは出したくないと。フュリオサの義手にしても、コリンさんはきれいすぎると抵抗感を示してました。すごく高度なものに見えると言うんですね。それで一生懸命、バイクの部品とかニッパーとかプライヤーを組み合わせて、いろんな試作品をつくってました。

――では最後に、実際に完成された映画をご覧になった時のご感想をうかがえれば。

前田:本当によくつくったなぁ、と。ストーリーの全貌は知ってたワケですけど、あれがこうなったのかと感動しました。セリフも少ないし、言ってしまえば行って帰るだけの単純な話じゃないですか。正直、最初にプロットを見た時は、これで大丈夫なのかと疑いの気持ちもあったくらいで。この間、その話をミラーさんにしたら、「周りを説得するのにどれだけ苦労したと思ってんだ!」とおっしゃってましたけど、画の力がシンプルさを凌駕してたワケです。映画としての力で、周りの雑音を黙らせてしまった。あと、こんなにハードな撮影をしたらミラーさんが死んじゃう!とも思いましたよ。砂漠でほぼ半年、それでアクションを毎日撮ってたって…。もうお爺ちゃんなんだから、いい加減にして!(笑)

――変な話、ジョージ・ルーカスみたいに他の人に任せるという手もあったワケですもんね。

前田:そうですよね、「ベイブ」はそうだったんだし。でも、きっとそれだけ思い入れがあったんでしょう。その思い入れの熱さが現場スタッフを動かしてたし、若手のいいスタッフが集まってつくられていったんだなと。そこにいちばん感動しましたね。

なお、月刊ニュータイプ10月号の別冊付録「movie Newtype」には、前田真宏さんと「ベイマックス」でコンセプトデザインを務めたコヤマシゲトさんによる“マックス対談”後編を掲載。WebNewtypeで期間限定掲載をしている前編とあわせてご覧ください。【取材・文=ガイガン山崎/撮影=木藤富士夫】

■BD&DVD「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

発売:10月21日(水)※同日デジタルレンタル配信開始

価格:税抜3990円(初回限定生産・2枚組デジタルコピー付きBD&DVDセット)

   税抜5990円(初回限定生産・2枚組デジタルコピー付き3D&2D BDセット)

   税抜4990円(数量限定生産・デジタルコピー付きBDスチールブック仕様)

発売:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

リンク:公式サイト

作品賞(TV放送作品)の中間結果 左から大空直美さん・五十嵐裕美さん・大坪由佳さん・上坂すみれさん・福原綾香さん・黒沢ともよさん・松嵜麗さん・山本希望さん・青木瑠璃子さん・高森奈津美さん キャラクター賞(女性)の中間結果 全員での記念撮影。衣装であるマイファーストスターのブルーが鮮やかに映えています キャスト10人全員から、ひとりひとりにポストカードが渡されました。直接交流できる機会があるのもうれしい限りです 場面写を見ながら20〜22話を振り返っていきました。意外とざっくりした福原さんのあらすじ解説が見事で、会場も盛り上がります 左から「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」めんま(本間芽衣子)役の茅野愛衣さん、「心が叫びたがってるんだ。」成瀬順役の水瀬いのりさん 新宿のお渡し会での1枚は、お題の「Shine!!」の逆をいくダークなポーズを全員でキメ。福原さんの体の仰け反り具合には「さすが」の声が 【写真を見る】水瀬さんと茅野さんは声を掛け合って見事な投球を披露した 水瀬さんと茅野さんのキャッチボールも披露されて盛り上がりました キャラクター賞(男性)の中間結果 ユニフォームは水瀬さんが「919」と「JUN」、茅野さんが「921」と「MENMA」の背番号と名前入り 仙台のお渡し会では、きらりのバースデーケーキと一緒に記念撮影。凸レーションの3人が揃って楽しそうな雰囲気が伝わってきます 声優賞(男性)の中間結果 主題歌賞の中間結果 作品賞(劇場上映作品)の中間結果 声優賞(女性)の中間結果 広島のお渡し会に参加したのは山本希望さん・原紗友里さん・三宅麻理恵さん。「Shine!!」もとい「シャイ〜ン」のポーズだそう。淡々と説明する山本さんがシュールでした 監督賞の中間結果 スタジオ賞の中間結果 キャラクター賞(マスコット)の中間結果 秋葉原のお渡し会には黒沢さん・松嵜さん・青木さん・佳村はるかさんが参加。「Shine!!」もとい「社員」に演説をする佳村さんとのことでしたが、「新興宗教かと思った」という声も 大阪のお渡し会に参加したのは福原さん・松嵜さん・安野希世乃さん・。松井恵理子さん。お客さんも参加して全員でつくった円陣は壮観! 脚本賞の中間結果 続けて披露されたのは「お願い!シンデレラ」。2曲の披露ながらも、ステージと会場の一体感からか、誰もが高い満足度を得られました 特典付き特別鑑賞券全2種セットのうちのAセット(「ここさけ」B3ポスター、「あの花」B3ポスター、「秩父物語1~コンビニにて~」出演:拓実×仁太) 対象店舗でニュータイプ10月号を購入するともらえるポスターには、キャラクターデザイン・総作画監督の田中将賀さんが描き下ろした成瀬順のイラストがあしらわれています 頭と胴体が分離する人間型の種族・デュラハンのララ(CV:加隈亜衣) No.1になった小倉のお渡し会の写真は、黒沢さん・大空さん・佳村さんの3人が強烈な逆光にさらされていて表情すらよく見えない1枚です 待ちに待ったライブパートは「Shine!!」でスタート。マイファーストスター姿とともに初披露となった上坂さんはとても嬉しそうでした

最新アニメニュース&レポート

角コミ★2015 SUMMER