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「赤玉ワイン」に一番合うツマミはどれだ?!
赤玉ワインというお酒がある。今から100年以上も昔、明治40年(1907年)から販売が開始され、現在もなお売り続けられている歴史ある甘口ワインだ。
――という書き出しで、5年前に「赤玉ワインに合うジュース調べ」という記事を書かせて頂いた。 近年、個人的な赤玉熱が再燃している。9月に入っても残暑はどこへやら、すっかり夏の暑気が消えかかっている今日この頃、無性に赤玉ワインを飲みたくなるのだ。 より一層充実した赤玉ライフを楽しむため、今回は赤玉ワインに合うツマミを探してみたいと思う。 用意したツマミは15種類今回の記事は極めて単純な内容である。全部で15種類のツマミをアテに赤玉ワインを飲み、どれが一番赤玉ワインと相性良いかを調べるだけだ。
なんとも甘みが優しく、懐かしい味わいの赤玉ワイン。さてはて、なにをツマミに飲むのがベストなのだろう。 というワケで、今回も赤玉を一本用意しました
赤玉ワインといえば、このボトルである
黄色地に大きな赤丸というシンプルさに加え、「akadama」のアルファベットが織りなすモダン感。レトロな風情ながらも、今もなお新しさを感じさせる、このボトルでこその赤玉だ。
ズラリとボトルが並んだ売り場でも一目瞭然に目立つ、機能と意匠を兼ね備えた秀逸なボトルデザインである。 ワイン自体も、うん、うまい
それでは、各種ツマミと赤玉の相性を見ていくことにしよう。
今回用意したツマミは、いずれも私が普段からビールや焼酎のアテとして食すものばかりである。実用性の観点上、普段食べないようなものや高価なものは除外した。 故に、ツマミとして王道なものが主となっている。身近かつリーズナブルなラインナップから最も相性の良いものを探す。赤玉はそういう気さくさが似合うような気がするのだ。 その1:柿ピー王道中の王道、柿ピーである。ピリ辛の柿の種と、塩気を帯びたピーナッツが織りなすハーモニー。
これが合わない酒を探す方が難しいのではと思うくらい、定番なおツマミだ。 これほどポテンシャルの高いツマミはそうない
軽くひとつまみを口に放り込み、赤玉を飲む
その相性――座する源頼朝の如し
カリカリと軽い歯ごたえの柿の種に、多すぎず少なすぎず絶妙なバランスのピーナッツ。後からピリッとくるのもアクセント。
赤玉ワインとの相性も申し分なし。ピーナッツの塩分と油分が赤玉の甘さを程よく引き立てている。 盤石というか、どっしりとした安定感があるというか、まさに征夷大将軍の貫禄である。 その2:ミックスナッツ柿ピーと同じく定番のツマミであるが、カシューナッツやアーモンドがややリッチかつオシャレな雰囲気を演出している。
柿ピーはどちらかというとビールと似合うのに対し、ミックスナッツはウィスキーに似合う。個人的にはそんなイメージだ。赤玉との相性はこれいかに。 これで100円はお得感がある
各種の配合バランスも良い
赤玉ワインとは――荏柄天(えがらてん)神社の相性!
その本殿は正和5年(1316年)の建立で、鎌倉に現存する最古の木造建造物だ
うむ、これは良く合っている。柿ピーも十分赤玉に合ってはいたが、それ以上の相性である。まさにドンピシャな関係といえるだろう。
その秘訣は、ナッツ軍団が織りなす濃厚な油脂のうまみにある。口の中に広がる油分を、ライトな味わいの赤玉がさっと流す、その瞬間がたまらない。 アーモンドの皮の渋み、ジャイアントコーンの歯ごたえ、ピーナッツの塩っ気、それらもまた赤玉の甘みと調和している。定番ではあるものの、ここまで合うとは思わなんだ。 その3:レーズン赤玉ワインは葡萄酒、ならばツマミも葡萄でいくのはどうだろう。というワケでお次は乾し葡萄、レーズンミックスだ。
原材料が同じなだけに、合わなくはないだろう。そう期待していたのだが……。 割高なイメージがあるドライフルーツを手軽に買えるのは嬉しい
おぉ、うまそうじゃないですか
しかし、赤玉との相性は……
残念無念。その悲しさは改修工事で全面封鎖中の段葛(だんかずら)に匹敵
これが本当に合わないのだ。乾されたことでギュッと濃縮されたレーズンの甘さが、赤玉の甘さと殴り合ってしまっている。
単体ごとなら自然的な優しい甘さなのに、混ざり合った途端に暴力的な甘さとなって襲い掛かってくるのである。この日は久々に気温が高かったこともあって、思わずむせてしまうくらいに強烈な甘さであった。
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