創業者カーネル・サンダースの誕生日である9月9日「カーネルズ・デー」に合わせて、「オリジナルチキン食べ放題！」が全国の「ケンタッキーフライドチキン」のうち105店舗で実施された。オリジナルチキン食べ放題は、2012年に日本KFC創業日の7月4日に実施されてから、2013年、2014年と行われており、恒例イベントになりつつある。
　今回、完全予約制となっている中で、6日前の時点で都内の店舗はどこも予約が埋まっていて、冷や汗をかいたほどであった（1店舗だけ空きがあった）。

　こういった祭りごとには積極的に参加するタチであるＯＶＯ編集部だが、今回参加するにあたっては、「食べ放題だからといって、いつもの食べ方を変えるわけにはいかないよな」というポリシーを持って臨んでいた。

　ここでいう「いつもの食べ方」とは、
・骨も残らないほどにむしゃぶりつく（骨は残します）
・腹が膨れようが関係ない、コーラを飲む
の２つである。

　食べ放題で「チキンを食べまくって元を取る」という観点においては不利なポリシーだと思うが、そのために、アイデンティティーを手放してしまってもよいものか。この大飽食時代のうねりに流されることなく、自分なりの食へのこだわりを貫きながら楽しみたいと思ったのだ。

　それに加えて、世はSNS時代。常人ならざる本数を食べきった写真をアップし、脚光を浴びたかと思いきや、「もったいない食べ方だ！」といった、議論が巻き起こったり、批判を浴びたりすることもある。

　とはいえ、チキンの綺麗な食べ方を教えてくれる人はなかなかいないものである。それならば、「みんなが知らないこと」を伝えるのは我々の役目であろうという、不思議な使命感に駆られたのだ。

　では、「綺麗な食べ方」については、当記事後半にてレクチャーするので、まずは食べ放題に挑んだOVO編集部飽食班のレポートをご覧いただこう。

食べ放題レポート

　我々の向かった都内某所の店舗。「オリジナルチキン」3ピース、「フライドポテト(S)」1個、「ソフトドリンク(M)」1個が最初に用意された。それぞれ食べ放題で、挙手でおかわりを運んできてもらうスタイルだった。制限時間は45分で、料金は税込1,500円(小学生は税込1,000円、小学生未満は無料)。

　いざ、スタートだ！

一般的に満腹中枢が働くのに、
食べ始めてから20分くらいかかるといわれている。
つまり、最初の20分に勝負をかける必要があるということだ。

手始めに「リブ」を手にした。
骨も残らないほどに食べ尽くし、
矢継ぎ早に「ウィング」、
「サイ」と食べ終えた。

要領を得ないと、綺麗に食べるのには膨大な時間がかかるところだ。
筆者が最初の３ピースを食べ終えたタイム･･･。

30分をゆうに過ぎていた。

血糖値は完全に上がりきっていて、既に脳から
「チキンはもう欲してないよ」
という信号が全身に発せられているのを強く感じた。

食事を開始してから30分も過ぎてしまうともう満腹で、
おかわりしてさらに食べようなどという気は微塵も起きなかった。
満腹中枢が刺激されすぎたのか、
チキンを持つ手と心が震えるほどである。
気休めにコーラをおかわりして回復を試みたが、
状況は悪くなる一方だった。

ストップウォッチに目をやれば、4１分。このままなすすべなく終わってしまうというのか。

あゝ無念。タイムアップ。

　食べ放題において、生命線である「食べるスピード」をないがしろにしてしまったことは、痛恨のミスであった。綺麗に食べることに目を奪われすぎて、ちんたらしすぎたのだ。
たったの３ピースじゃ、普通にオーダーするより損してないか？
ポリシーも何も、食べ放題で損してしまったら論外。何の説得力もない。
ちゃんと、綺麗な食べ方をマスターしていればこんなことにならなかったのに、綺麗な食べ方を知ってさえいれば･･･。

　といった具合に「綺麗な食べ方」を知らない・慣れていないばかりに起こってしまった悲劇を実際に垣間見ていただいたところで、チキンそれぞれの部位を綺麗に食べる方法をレクチャーしようと思う。
「綺麗に食べる」「チキンを時間内にたくさん食べる」を両立すれば、
万人に認められる「チキンマスター」の称号を欲しいままにすることができるだろう。