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豪首相交代 対日関係の行方に注目9月15日 4時30分
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オーストラリアで14日夜、与党・自由党の党首選挙が急きょ行われ、アボット首相が敗れ首相を退任することになりました。首相の交代によってこれまで首脳どうしの信頼を深めてきた日本とオーストラリアの関係の行方が注目されます。
オーストラリアでは14日夜、与党・自由党で党所属の議員による党首選挙が急きょ行われ、アボット首相が、ライバルで通信相を務めていたターンブル氏に敗れました。この結果をうけアボット首相にかわり60歳のターンブル氏が、新しい首相に就任することになりました。ターンブル氏は、党首選挙後の記者会見で「指導者として背負うものはとても重い。本当の意味でのリベラルな政府を目指す」と述べました。ターンブル氏は、ジャーナリストや弁護士、それに大手投資銀行の代表などを経て2004年に政界に入り、アボット首相の前に自由党の党首を務め、各種世論調査ではもっとも人気のある政治家としてアボット首相より多くの支持を集めていました。アボット首相は安倍総理大臣との間で個人的な信頼をもとに日本との良好な関係を続け、次期潜水艦の導入計画では日本の技術に強い関心を持っていたとされています。ターンブル氏はTPP=環太平洋パートナーシップ協定をはじめアボット政権の政策の多くは引き継ぐとみられていますが、首相の交代で日本とオーストラリアの関係の行方が注目されます。
首相に就任するターンブル氏は
マルコム・ターンブル氏はシドニー生まれの60歳。ジャーナリストから弁護士に転身した後、大手投資銀行の代表を務めるなどさまざまな職業を経て、2004年に政界入りしました。2007年に当時のハワード政権で環境相を務めたほか、自由党が野党になった2008年から2009年までは自由党の党首を務め、おととしの議会選挙で自由党が与党に返り咲いた後はアボット首相のもと通信相として政権を支えてきました。リベラルな姿勢が党の内外から幅広い支持を集め、世論調査では常にアボット首相よりも人気のある政治家に挙げられ、ことし2月、党内の一部の議員からアボット首相の党首解任を求める動議が提出された際もターンブル氏を次の首相に推す声が上がりました。また、ことしに入って、同性婚を認める法案が議会に提出された際には党内の保守派や連立を組む国民党が審議にかけることに反対する中、採決には自由投票で臨むべきだと主張し、アボット首相とは一線を画す立場をとっていました。