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 東京電力は14日、福島第一原発の建屋周辺でくみ上げた放射性物質を含む地下水を浄化して海に流す「サブドレン計画」で、浄化した地下水を初めて海へ放出した。放出した水は、東電が定めた基準値を下回ることを東電と第三者機関が確認した。夕方までに約850トンを流す予定だ。

 サブドレン計画は、建屋への地下水の流入を減らすことで汚染水の増加を抑える新たな汚染水対策。建屋を囲む井戸(サブドレン)から地下水をくみ上げ、専用設備で浄化処理し、水質を確認した後、海に流す。8月に福島県漁業協同組合連合会が正式に容認し、今月3日から本格的なくみ上げを始めた。

 14日は午前10時ごろから、昨年試験的にくみ上げてタンクにためておいた水を放出した。3日からくみ上げた地下水は数日後から流す。基準値は放射性セシウムが1リットルあたり1ベクレル、ベータ線を出す放射性物質が同3ベクレル、除去が難しいトリチウム(三重水素)は同1500ベクレル。