住まいや人間関係…事前に知っておくべき田舎暮らし現実 - ライブドアニュース
実際に田舎暮らしを経験して挫折した自分の視点で上記の記事に対して少し。
というか、定期的に話題になるこの手の話について、一度気持ちをぶちまけたかったので長くなる。
あくまでも自分の経験が中心の話なので勘違いやおかしいところがあったり、また地域差も非常に大きいであろうことは先に断っておく。
そしてこれは、移住者のほとんどいない地域(嫁入り除く)の話なので、普通はあまり関係ないであろうことも断っておく。
こういう人もいて、こういうこともあるんだなぁくらいの読み物的に読んでもらえればうれしい。
まずは、その田舎町は東日本のどこかのとある豪雪地帯の話である。
自分は出身こそ同じ県だが、その地方では上から何番目か程度の都市で、その田舎町には縁もなくほとんど行ったこともなかった。
長年東京暮らしをしていて、わざわざそこに住むことになった理由等は身バレを考慮して割愛させてもらうが、フェイク等は入れていない。
これについては、自分のアパート探しと、あとから移住してきた同僚に頼まれて探すのを手伝ったので2回経験。
自分が住んだ地域は、そもそもネットで賃貸物件を探そうとしても1件もなかったので、現地で探すことになる。
一応、地元の不動産屋が2件ほどあった。余談だが、専業でやっていけるわけもなく片手間なので知識も取り扱い量も非常に少ない。
ほとんどは公務員等の転勤族が住むために作ったアパートで、勤め先から補助が出ることを考慮した家賃はやたらと高いものだった。
そして時期によっては取扱いが1件もなかったりする。一応その地域には全体で数十件程度のアパートはあったのだが。
つまりなにかしらのコネやツテがないと、住むことすら不可能な場合もあった。
自分も同僚も不動産屋を訪れた際、数件の空きはあったのだが、非常に状態の悪いボロボロの空き家だったり小奇麗だが払えないような高い家賃だったりしたので
不動産屋を頼らないことにしてひたすら車を走らせて入居者募集の看板を探したり、アパートらしきものを見つけては周辺の人に聞き込みをして探したのだが
そう都合よくは見つからず、最終的にはツテを作ることでなんとかみつけることができた。
しかしなんと大家から、地元以外の知らない人が住むのは不安だからとの理由で一度断られることになる。
普通の賃貸アパートなのに、なんだそれはという感じで理解不可能だったが、保証人を地元の人に頼むことで了承を得ることができて、なんとか住む場所を決めることができた。
住んでからも細々とした苦労はあったが、そこは長くなるので割愛する。
一晩で1メートルを超えるような積雪や-20度前後になる気温には苦労させられたが、異常過ぎて最初は楽しいし、慣れればなんとかなるものだ。
ちなみに、自分はあまりの豪雪と寒さに、毎日車の外気温計と気象庁のサイトで積雪や気温をチェックしていたのだが、
地元の人たちは早朝の気温が-15度を下回ると揃って今朝は寒かったと話すことに気が付いた時はなんとなく面白かった。
これはそれなりに苦労した。
一応、一つだけ総合病院的なものはあったのだが、診療科目が限られており眼科や皮膚科等は週一回午前中だけとか予約診療のみとか、
産婦人科はなく、妊娠したら車で1~2時間以上かけて検診にでかける必要があるとかで不便極まりない。
また、朝起きて片目が非常に痛くて(確か角膜に傷がついていたんだったかな)仕事を休ませてもらい病院に行こうとしたのだが、地元の眼科は休みで、
都合よく頼れる人もいなかったので、一人で片目で吹雪の峠を長時間運転していくという、なんとも綱渡りのようなことをする羽目になったこともある。
まぁ、今考えると、無理せず近くの内科を受診すればよかったのだろうと思うので笑い話になってしまうが。
あとドクターヘリのようなものも来ることはあったが、そもそも遠くからくるし吹雪じゃこれないし、
基本地元の病院で対応できないときは救急車で1時間以上かけて近隣の市の病院までいっていたようだ。
都会でも救急の受け入れ先が見つからずたらい回しにされ、時間がかかるという話もあるが、それを加味したって都会のほうが安心なのは間違いない。
これが非常に曲者だった。苦労した。結局無理だった。
自分は中高一貫の全寮制にいて、北海道から沖縄まで友達や知り合いがいたし、東京に出てからは様々な人と付き合ってきたし、
留学経験もあって世界各国の人たちと付き合いがあったし、全国各地に住んだ経験がある両親に育てられてきた。
それでもまぁどちらかというとコミュ障なのだが、それなりには、あくまでもそれなりに輪を乱さない程度には、どんな人たちとも付き合える自信はあった。
だがそんな自信は、完璧に打ち砕かれたのだ。
文化が違うとか価値観が違うとか、そんなものは、あるのは当たり前で、適度に合わせてそれなりに郷に入っては郷に従えで問題ない。
今まで多くの人と付き合えてきたが、それは(程度の違いこそあれ)相手も同じように考えてくれているから成り立っていたのだと気が付いた。
まったく価値観・文化の違い等を受け入れることができない人たち、どころかそれらの言葉を考えたこともないような人たちは確かにいるのだ。
「自分たち」とほんの少し、たった一つでも違うと、徹底的に蔑み、差別し、噂する人たち。いくらよそ者が頑張って彼らに合わせようとしたって100%は無理だというのに。
良くも悪くも人間関係が密なもので、友達の友達だとか親戚の知り合いとかのレベルで、町の人間や出来事ほとんどがわかってしまうほどである。
数十、数百人の村の話ではない。一応人口でいえば1万人程度いる町なのにだ。
特に悪い噂は、尾ひれはひれが際限なくついていくものだからたちが悪い。そしてまわりまわって、自分のところまで戻ってくるのだ。
これは地元の人間でもそうだった。なにか少しでもやらかすと、噂されて結局は自分まで届いてくるのだ。
なんというか、失敗は許されない土壌だ。というか勝手に失敗したことになっていたりして手遅れだったりする。
それでも誰もそれをやめないのが最も恐ろしいところだ。
ウィンザー効果(本人から直接言われるよりも第三者から噂として聞く方が信じてしまいやすい現象)-最近増田で知った言葉だが-という言葉をみんなに教えて回りたくなった。
まぁ地元に生まれても、育ち方や環境次第ではそういう風にはならないのだろうけど、そういう人たちは基本的に都会へ出ていくし、
出戻りした人や家庭等の事情があって離れられない人もいて、そういう人たちとは打ち解け仲良くなったりもして、わかっている人も多いとは思ったが、
それでも結局は彼らの生まれ育った地元であるからして、納得はしないまでも、我慢はできる場合が多いようだ。(そして地元では多少変わった人と思われていたりもする)
他にも書ききれないようなことやとても言葉にできないようなことが多くあり、自分は結局、地域や職場での人間関係に失敗してトラウマを植え付けられ、うつ状態となり、退職して引っ越した。
あれから数年たつが、今でもたまにその町に行かなければならないのだが、そのたびにしばらくは大きく気が沈み何もできなくなる。
最近は車を変えたから、少しは自分だと気付かれにくくなったかなと、ほっとしていたりもする。(大して目立つ車じゃなくてもすぐにいつだれがどこを走っていたかばれるのだ。)
別に自分が無理だったというだけで、田舎全般どころかこの町を悪く言うつもりはない。これ大事なこと。
住んでる人たちはそれなりに幸せだろうし、中には移住してきて幸せな人もいるだろう。
数十年後の将来この町や町の人々がどうなっているかはわからないし、知ったことではないが、
個人個人に大きな問題があるわけでもないし、大きな社会問題になるほどのことでもないだろう。
徐々に衰退して、最終的には消えて無くなろうが、私はなんとも思わないだろう。
だから結局自分は、ここに書いたようなことは誰にも言わずにできるだけこっそりとフェードアウトしてきたつもりなのである。
でも間違いなく、離れてしばらくは色々噂されてとんでもないこと言われてたんだろうなぁと考えてしまうのだった。終わり。
追記。 長文で読みやすい文章書くのって難しいなぁ。すげぇ時間かかった割にイマイチ。上手い人尊敬する。練習します。 こんな適当な長文わざわざ読んでくれた人がいたらありがとう...
おつかれさまでした。結構読みやすかった。 うわさに関してはごく一部の声が大きい人が言いふらすというだけでなく全体的な傾向だったのかな。都市部でも下衆な噂ばかりするグルー...