安保法案:与党と維新、修正協議決裂 採決日程攻防続く

毎日新聞 2015年09月15日 12時00分(最終更新 09月15日 15時00分)

与党との安保関連法案修正協議に臨む維新の党の片山虎之助参院議員会長(右)ら=国会内で2015年9月15日、喜屋武真之介撮影
与党との安保関連法案修正協議に臨む維新の党の片山虎之助参院議員会長(右)ら=国会内で2015年9月15日、喜屋武真之介撮影

 自民、公明両党は15日午前、安全保障関連法案を巡って維新の党と協議した。維新は集団的自衛権の行使ができる存立危機事態を認めず、代わりに個別的自衛権を事実上拡大する武力攻撃危機事態を盛り込む法案修正を求めていたが、与党側は法案の修正は困難と伝えた。維新は法案修正を求める考えを変えず、修正協議は決裂した。

 協議で与党は、日本が攻撃される明白な危険がない中東・ホルムズ海峡での機雷掃海などの事例で、国会が例外なく事前承認できる仕組みなどを提案。また法案が、自衛隊が他国軍を後方支援する地域について「現に戦闘が行われていない地域」としている点について、実施地域を定める閣議決定をする際、「活動期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」と盛り込む考えも伝えた。

 維新側は協議を受けた15日午前の執行役員会で法案修正が必要との方針を改めて確認。維新の小野次郎総務会長が自民党の佐藤正久・参院平和安全法制特別委員会理事に伝えた。小野氏は国会内で記者団に「これをもって(協議は)おしまいだ」と語った。

 また、与野党の国対委員長が15日午前、国会内で会談した。野党側は「強行採決はあってはならない。十分な審議を求める」と主張した。参院が採決しなくても衆院の3分の2以上の賛成による再可決で法案を成立できる「60日ルール」についても、適用しないよう求めた。

 これに対し自民党の佐藤勉国対委員長は、60日ルールの適用について「考えていない」との考えを示した上で、「参院に審議が移っているので、動向を見つつ判断したい」と述べた。

 15日午後には採決の前提となる中央公聴会、16日には野党が求めた地方公聴会が横浜市で開かれる。与党は17日までに特別委で締めくくり総括質疑を行い、採決に踏み切る考えだ。【田中裕之、福岡静哉】

最新写真特集