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【大相撲】

白鵬2連敗 休場決定的

2015年9月15日 紙面から

嘉風(上)が引き落としで白鵬を破る=両国国技館で(大泉謙也撮影)

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◇秋場所<2日目>

(14日・両国国技館)

 36度目の優勝を目指していた横綱白鵬(30)=宮城野=が左膝を痛め、3日目から休場することが決定的になった。平幕嘉風(33)=尾車=に引き落とされ、取り組み後に病院で検査を受けたが、膝を曲げるだけでも痛がった。初日からの2連敗は横綱在位49場所目で初めてで、小結だった2005年九州場所以来。師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は休場について「8割方そうなる」と話した。嘉風は10度目の挑戦で白鵬から初勝利を挙げた。

 2007年名古屋場所で横綱に昇進してから8年。無人の荒野をゆくがごとく、この日まで史上1位となる722回の横綱連続出場を誇ってきた白鵬にも、ついに歩を休めるときがきた。左膝を痛め、大関4場所目の06年九州場所以来、9年ぶり3度目の休場が決定的となった。

 嘉風の引きに足がついていかず手から土俵にパタリ。10個目の金星を配給し、横綱昇進後初の初日から2連敗。負け残りの土俵下で汗をぬぐいながら不安げに視線を泳がせる。見慣れない光景だった。

 支度部屋へ引き揚げてくると、すでに気持ちは休場へ固まっているかのように口を開いた。「だから脚にちょっと…。うーん、違和感があるんでね」。状態を淡々と説明した上で「体と心が合わない。土俵に上がった以上、失礼のないような相撲を取りたいんですけど。(相手に)合わせるも何も、全部ね、踏ん張り切れない。初めての感覚」と続けた。

 痛めたのは伊勢ケ浜一門の連合稽古(5、6日)という。先月14日の夏巡業で右足親指を痛めていたのだが、「巡業が終わって、(連合)稽古が始まったときかな。ちょっとかばったのかもしれない」。12年夏場所は初日に指を骨折しながらも出場を続け、10勝5敗の成績を残した。そんな前例はあるが「こんな状態じゃねえ。体と心が合わないね。ゆっくり親方と話し合います。自分ひとりでは決められない」と弱気の発言を繰り返し、連敗の心境は「どんな気分か分からない」と言い残して国技館を後にした。

 師匠の宮城野親方と話し合い、そのまま検査のため東京都墨田区の同愛記念病院へ向かった。約1時間後に姿を現すと「今はちょっと、まだ分からない。皿の部分がちょっとね。あした、磁気共鳴画像装置(MRI)とか撮ってみないと分からない」と出場を明言しなかったが、本人の意思は休場で固まっていると思われる。

 たとえ出場しても苦しい状況に変わりはない。優勝制度ができた1909年夏場所以降、初日から2連敗した力士が優勝した例はない。史上1位の連続勝ち越し記録(関取昇進後)も途切れ、10月3日に都内のホテルで予定していた優勝回数新記録の祝賀会もキャンセルとなる。

 不祥事のときも休むことなく角界を引っ張ってきた。まだ続く相撲人生を見据え、ここでひと休みするのもいたしかたないのかもしれない。 (岸本隆)

 

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