セ・リーグは、試合は成立しているため、記録の訂正や勝敗は変わらないとした。ただ今回の誤審は、広島を含む上位4チームによる大混戦の中で起きた。結果的に優勝、クライマックスシリーズ(CS)進出など、最終の順位決定に影響を及ぼす可能性もある。誤審を認めたことで、NPBに抗議の電話も数件あったという。広島ファンが納得できない気持ちになるのは当然で、最終順位次第では、さらに波紋が広がるかもしれない。
熊崎コミッショナーは、「断じてあってはならないこと。深く、深くおわび申し上げます」とファン、関係者に謝罪。再発防止に全力を傾けることを約束した。 (上野亮治)
ビデオ判定
セ・パ両リーグともに2010年から本塁打の判定に限り導入された。12球団の本拠地と、ほっともっとのみで地方球場では行われない。責任審判が必要と認めた場合、責任審判ともう1、2人の審判がリプレー映像を検証する。検証は審判室に設置されたモニターの中継映像のみを使用。昨季からは本塁打以外のフェンス際への飛球も対象となった。
大誤審VTR
12日の阪神vs広島戦(甲子園)。2-2の延長十二回一死。広島・田中の放った大飛球はフェンスを越えたように見えたが、塁審はインプレーと判定。広島・緒方監督はビデオ判定を要求するも、結果は変わらず一死三塁で試合は再開された。その後、両軍譲らず2-2で引き分けた。試合後、東三塁塁審は「バックスクリーンからの映像で確認した。ラバーとトップの間に当たって跳ね返った」と説明。一方、現地で観戦したファンの一人は「入ってましたよ。ビデオ判定で覆ると思った」と別の見方を示していた。
(紙面から)