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【政治】辺野古対立が長期化も 埋め立て承認の取り消し表明
米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設をめぐり、沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は十四日、仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消すと表明した。政府は工事を続けながら、法的な対抗策を取る方針。最終的には法廷闘争に持ち込まれ、対立は長期化する可能性が高いとみられる。 (後藤孝好) 翁長氏は県庁で記者会見し、二〇一三年十二月の前知事の承認について「(新基地建設を強行する)官邸の錦の御旗になっていることを思うと、胸がかきむしられるような気持ちだ」と指摘。「法律的な瑕疵(かし)があるので、取り消す方向で手続きを開始したい」と、知事のあらゆる権限を使って建設阻止に取り組む考えを強調した。 県は、埋め立て承認を取り消す主な理由として(1)新基地建設で米軍基地の固定化を招く(2)周辺海域に生息する絶滅危惧種ジュゴンの保護やサンゴ礁の保全が不十分(3)垂直離着陸輸送機オスプレイなど航空機の騒音対策に実効性がない−などと列挙。二十八日に工事主体の防衛省の沖縄防衛局から意見を聴取し、翁長氏は十月中に取り消す構え。 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日の記者会見で「前知事の埋め立て承認で行政判断は既に示されており、承認に法的瑕疵はない」と反論。住民の土地を戦後、米軍が強制接収して基地を造ったのが原点と翁長氏が主張し、新基地を認めないことについて「普天間飛行場の危険除去の努力を無視することで残念。戦後の接収までさかのぼられると、話し合いを進めるのは難しい」と批判した。 翁長氏が埋め立て承認を取り消した場合、政府は行政不服審査法に基づき、執行停止や処分の取り消しを国土交通相に求めて対抗する構え。工事で海中に投入されたブロックが、サンゴ礁を傷つけている可能性が高いとして、翁長氏が三月に沖縄防衛局に作業停止を指示した際にも、政府は同じやり方で農相に不服を申し立てて認められ、工事を続行している。政府と県は自らの主張が認められなければ、それぞれ裁判所に提訴する方針だ。 PR情報
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