「灘→理Ⅲ」3兄弟の母の教育論への違和感

子の進学を親の手柄にするおかしな風潮

親のプレッシャーが子供を知らずに追い詰めることもある(写真:もとくん/PIXTA)

灘中・高から東大理Ⅲに3人の息子を進学させた母親の教育論や受験テクニックを紹介した記事が、ネット上で議論を呼んでいる。

灘から理Ⅲという経歴は立派なものだし、それ自体は非難されるようなことではない。ただ、記事の中で他人の子育てを全否定したような発言が、炎上の原因のひとつだろう。記事の書き方もかなりあおっているように読める。

一方で、余計なお世話とは知りながらも、モヤモヤ、イライラする人たちの気持ちもわかる。親が子供を思いどおりにデザインしようとする価値観がもてはやされると、自分たちの生活をもその風潮に飲み込まれかねないという危機感が発動するのだろう。

今回の記事に違和感を覚えた人たちの気持ちを勝手に代弁してみる。

あたかも親の手柄のように言う風潮がおかしい

日本最高峰の学歴が得られるのであれば、怒鳴ろうが叩こうが結果オーライだという考え方もあるだろう。あるカリスマ塾講師も、「無理やりでも勉強させれば、ある程度の学歴を得ることはできる」と言う。

しかし同じやり方で勉強しても、本当に東大に入ってしまう子もいれば、早々につぶれてしまう子もいる。この違いは何なのか。

「子供本人の器の違いです。たまたま器の大きな子だったからガンガンやらされても耐えられただけ。たまたまうまくいった例を、あたかも親の手柄のように言う風潮がおかしい」とその塾講師は一刀両断する。

また別のベテラン塾講師も、「どんなことでも、正しいやり方などというものはないのだと思います。人のやり方を参考にすることは大いに結構ですが、ただまねをするだけではダメでしょう」と話す。

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