小林よしのり氏 安保デモは「間接民主主義を脅迫」
- 2015年09月13日 15時41分
- 提供:アメーバニュース/政治・社会
政府与党は9月18日までに安全保障関連法案を成立させる方針で、同法案の攻防がヤマ場を迎える。そのため、国会周辺では同法案に抗議する集会が連日予定されているが、漫画家の小林よしのり氏は自身のブログでデモに対して異議を述べている。
小林氏は、同法案に反対する立場であるとしながら、デモについては違和感を感じているという。そして最も違和感を感じていることについて、知識人・著名人を含め、デモの参加者が「『デモこそが民主主義』と勘違いしていること」をあげる。
そもそも「デモ」とは「デモンストレーション」の略語であるが、小林氏はデモ参加者が「『デモ』を『デモクラシー』の『デモ』と同じだと思っているのだろう」と推測。「デモクラシー」は民衆を意味する「デモ」と統制・支配を意味する「クラシー」が語源であり、「強い」を意味する「デ」と示威行動を意味する「モンストレーション」を語源とする「デモンストレーション」とは語源が異なると解説。国会前のデモについて「間接民主主義を『脅迫』している」との持論を展開した。また「議論こそが民主主義」だとする一方で「ただし、政府与党も結論ありきで、『議論』をする気がないのは確かだ!」と政府与党に対しても異議を述べた。
一方で政治学者である高千穂大学の五野井郁夫准教授は著書「『デモ』とは何か〜変貌する直接民主主義」で、変貌する直接民主主義としての「デモ」に注目している。戦後を代表する政治学者である丸山眞男氏はかつて、民主政治について、国会などの議会内政治を「院内」の政治、議会外での社会運動などを「院外」の政治と区別し、双方の重要性を指摘。同書でもその認識に立ち、デモによる直接民主主義への期待を記している。
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デモは「抗議や要求の主張を威力を示す行動によって主張する」わけだから、一種、集団「威嚇」に相当する。小数者の威嚇によって多数が服従させられるような事は、選挙による「間接民主主義を『脅迫』している」に該当する。 しかも議会前で国会に対して行われているのだから、まさしく議会制民主主義への挑戦である。 これを認めることは民主的手続きに従わない「独裁主義」を許すことになり、憲法前文に反する違憲行為となる。