<山形市長選>自民系、半世紀ぶり市政奪還
◎佐藤氏が初当選
任期満了に伴う山形市長選は13日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人で元経済産業省職員の佐藤孝弘氏(39)=自民・公明・次世代・改革推薦=が、ともに無所属新人で元防衛省職員の梅津庸成氏(48)=民主・共産・社民・生活推薦=、飲食店経営の五十嵐右二氏(64)を破り、初当選した。市政の転換を求める民意の勢いが、安全保障関連法案への批判を上回った。自民は約半世紀ぶりに市政を奪還した。梅津氏とは1773票差の激戦だった。
佐藤氏は、119番山形大生死亡訴訟への対応など市川昭男市長の市政運営を批判した。安保法案には言及せず「市政の流れを変えるのか、変えないのか」と強調し、選択軸を示した。
前回落選後、市内に33の地域後援会を組織し、梅津氏に地力で勝った。遠藤利明五輪相(衆院山形1区)や自民、公明の県議、市議が支援し、企業や団体の票も固めた。自民は閣僚や党幹部の応援を厳選した。
佐藤氏は同市北町の事務所で「県都の在り方が問われている。トップがしっかり早く動く市政に変える」と決意を述べた。
梅津氏は、安保法案反対を重点的に訴える戦術を展開。市の「平和都市宣言」事業継続を公約し、「山形から政権の暴走を止める」と訴えた。吉村美栄子知事が精力的に支援したが、出遅れを挽回できなかった。
五十嵐氏は政党対決が軸の選挙戦となり埋没した。
当日有権者は20万2997人。投票率は56.94%で前回を9.34ポイント上回った。
◇山形市長選開票結果(選管最終)
当56,369佐藤 孝弘 無新
54,596梅津 庸成 無新
3,737五十嵐右二 無新
2015年09月14日月曜日