[社説]朴大統領は急がず、長い目で統一外交を進めるべきだ
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SEPTEMBER 10, 2015 07:36.
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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は昨日、ソウル安保対話の開幕式で、「韓半島の統一は北朝鮮の核問題や人権問題の根本的解決策になるだろうし、世界史から見れば、20世紀の冷戦の歴史を終息させることになるだろう」と、統一ビジョンを改めて宣言した。今年で4回目を迎えたソウル安保対話は、米国や中国、日本など30か国の国防官吏や国連など、4つの国際機関の安保専門家らが、グローバル安保の懸案を議論する行事だ。朴大統領はソウル安保対話を韓半島統一の基盤を固める「多国間安保対話機構」へと発展させていきたいと述べ、韓中首脳会議に次ぐ「統一外交」の開始を公にアピールした。
韓国が平和統一を主導するのに、周辺諸国の同意や協力が重要なのは、誰も否定できない。自由民主的基本秩序に基づいた韓半島統一が、国際社会にも利益をもたらすことを世界が共感できるよう、外交戦略を拡大していく必要がある。朴大統領は最近、「北朝鮮の核問題を解決する究極的かつ最も早い方法は平和統一であり、それに向け、中国と様々な議論を開始することになるだろう」と明らかにし、国内外から高い関心を集めている。「北朝鮮の核問題が解決されてこそ、統一も可能だ」という通念を覆す発想の転換とはいえ、現実的な妥当性については、評価が食い違っているのも事実だ。
今、同盟国の米国では、韓国の中国への傾倒を注意深く見守っている。中国が統一のネックにならないよう、協力を求める必要はあるが、米国ともまだ行っていない深みのある統一議論を中国と先に行うことを懸念する専門家らも少なくない。中国が血盟の北朝鮮を切り捨て、韓国を選ぶ方向に、戦略的転換をしたとも受け止められない。国内では、具体的な統一論を巡って共感が出来上がっておらず、当事者の北朝鮮とも全く議論されていないのが現状だ。すぐに、北朝鮮は、「統一はわが民族同士の力で実現すべき民族的重大事だ」と、朴大統領の発言を批判している。大統領の北東アジア主導に、息切れを覚えるほどだ。
朴大統領は任期中に、統一と関連して目に見える成果を上げようと無理をするのは望ましくない。日本の安倍晋三首相は2018年9月まで、中国の習近平国家主席は2023年、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は2024年までの重任が有力視されている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)は、急変事態が起きない限り、生涯政権を握ることができる。2017年1月に退任するバラク・オバマ米大統領が、北朝鮮の核問題の解決を超えて、南北統一まで試みるとは思えない。今後2年半の間、統一議論に注がれる国民や友邦国の疑惑を解消し、いかなる政府が発足しても持続可能は中長期的統一政策の枠組みを固めることだけでも、朴大統領は十分評価を受けることができるだろう。