私は胸が大好きだ。高校時代から男女問わず人の胸ばかり触っていた。
卒業アルバムの寄せ書きスペースに「胸を触るな」「また触ってね」「いつか触らせてね」などと書かれるくらい人の胸を触っていた。
英語の先生の胸を「バストー!」と言いながら触って、「林。男の胸はチェスト。」と言われるくらい、触っていた。
高校の授業でvast(莫大な)という単語を習ってから、語呂が良いのでVast bust burst!と言いまくっていた。その年のセンター試験の英語でvastという単語が文中に出たが私や友人は当然即座に意味が分かった。
数多の胸と関わっている間にこんな噂を耳にした。
乳首は耳の真下のラインにある。
本当にそうだろうか。
林潤奈(はやしじゅんな)
世界平和を目指している。胸が好き。単位を取るタイプの大学生。
乳首の位置を当てたい
乳首はポップな急所だ。首などはマジな急所だから冗談にできないが乳首は多分ギリギリ冗談にできる急所だ。どんながたいのいい人も、どんな偉い人も、乳首の場所を当てられたら顔を赤らめてちょっと笑うしかない。
乳首は誰にでもついていて「ていっ☆」と触れば誰でも笑顔にできるとんでもないポテンシャルを秘めたサムシング、である。これはある意味世界平和に近い。四捨五入したら世界平和だ。
乳首の位置を正確に知りたい。
本当に耳の下なのだろうか。
ネットで検索したところ、乳首というワードのせいで大人のページが大量にでてきた。私はそっとブラウザを閉じた。
まだ誰も検証していなかった。これは調べるしかあるまい。そして私は調査にかこつけてニフティ中の社員の乳首の場所を暴いてやろうと思った。
検証方法
女性の乳首は下着などによって真ん中に寄せられている。しかし男性の乳首はありのままだ。野良だ。天然だ。(養殖の乳首とはなんなのかときかれると困るけれど)
よって今回は男性の乳首を調べることにした。
手順
(1) 乳首については伏せて「来てくれたらデイリーポータルZに出られる」とだけ説明してニフティ社員を呼ぶ
(2) なにも知らずに来てくれた社員に乳首の位置を調べさせてくださいとお願いする
乳首を調べたいと言われて苦笑する社員さん
(3) 耳の外側のラインに垂直に棒を当てる
(4) 社員自らの手で触って乳首の位置を確かめていただく
(5) 乳首の位置と棒が一致していたら旗を縦に、棒より乳首が内側にあれば旗を内側に、棒より乳首が外側にあったら旗を外側に向けてもらう
耳の位置より外側だった場合
乳首は耳の真下にあると言える
さらにネットに顔出しで写真を載せていいと言ってくださった方が24人中23人だった。ニフティ、怖いものなしなのだろうか。
「いまどんな気持ちですか?」
「びっくりしてます」
「乳首が本当に耳の真下にあったことにですか?」
「この企画にです」
社員の乳首の位置を暴く
プライベートで言う乳首と会社で言う乳首は違う。
というより会社では乳首は無きものとされている。みんなすました顔で、乳首なんてないかのように働いている。
そんな乳首をどんどん暴いていく。
「はずかしいです」
当然である
「外側にあると思っていたけれど普通の位置でよかった。これからは正しい位置にあるとアピールしたい。」
誰にアピールするのだろう。
この乳首の位置を生かして何ができると思いますか?という問いに対し、「大会」と答えた方がいた。どのくらい耳の真下かや、どのくらい外側かを競う。それもいいかもしれない。
「乳首って言葉を聞きすぎて、もう普通の言葉みたい」
「乳首のデフレですね」
「きき乳首ってあるらしいですよ」「知らねーよ!」
精鋭のデザイナーさん。2cmも内側だった。これ以降クリエイティブだと乳首が内側寄りになるというジンクスが誕生した。
1cm内側寄りだった人事担当の方。
「クリエイティブなんですかね」
「あ、嬉しいです」
乳首の位置で喜ぶ大人、二児の父。いかがなものか。
「林さんはどんなきもちでやってるの」
「ゆかいです」
「ならよかったです」
デザイナーさん。クリエイティブな内付き乳首。
乳首という観点から世界を見る
「今どんな気持ちですか」
「はずかしいです」
「嬉しさとかはないですか」
「嬉しさ!?・・・は、ないです。でも、世界を見る目が変わりますよね」
そう、気づいただろうか。
これからあなたは道行く人の乳首の位置を当てられるのだ。日本中にある、日本人口の2倍である2億7千万の乳首の位置を誤差2mmの精度でぴたりと当てられるのだ。
今後嫌な人がいても、あなたはその人のポップな急所、乳首の場所を握っているのだから快く許せるに違いない。
ちなみに本当に握ったらあなたが死ぬ。社会的に。