高知の私立高に自衛隊コース　来年度に新設

　高知市の私立高知中央高校が二〇一六年度から、自衛官にふさわしい人材の育成を目標とした「自衛隊コース」を普通科に新設することが、同校への取材で分かった。文部科学省は「珍しいコースで聞いたことがない」としている。

　同校の近森正久理事長によると、自衛隊コースでは一週間のうち六時間分の授業を銃剣道と自衛隊に特化した座学に充てる。座学では現役の自衛官やＯＢを講師として招く予定で、三年次には自衛官の採用試験対策も実施する。

　同校には普通科と看護学科がある。普通科は現在、国公立進学、フードビジネス、スポーツ、あきんど商人、人間力アップ、エンターテインメントの六コースあり、定員は百六十人。コース新設に伴う増員はない。自衛隊コースでは自衛官に限らず、警察官や消防士の育成も行うという。

　自衛隊高知地方協力本部は「他校と同様に、依頼に応じて講話を行うなどの協力をしていく」としている。

　近森理事長は自衛隊コース新設の理由を「高知県では年間約百人が自衛隊に就職したり防衛大に進学したりしており、需要があると判断した。心身ともに鍛えられ、忠誠心をもって日本の国防に当たれる人材を育成したい」と話している。