鈴木友里子
2015年9月15日01時56分
東日本大震災の被災地で、大手IT企業が地道にビジネスを続けている。東北の特産品のネット販売や、被災地と全国の人や企業を引き合わせるサービスなどを手がける背景には、東北でつくったビジネスモデルを、日本のほかの地方にも広げていこうとの狙いがある。
宮城県石巻市の鮮魚店「プロショップまるか」は、ヤフーの通販サイト「復興デパートメント」で全国に魚を販売している。地元の魚介をセットにした「おやじのおまかせセット」が人気で、数量限定にしたほどだ。佐々木正彦社長は「接点のなかった多くの顧客をネットでつないでくれた」と話す。
震災から9カ月後の2011年12月、ヤフーは、東北3県の海産物や伝統工芸品などを扱う通販サイト「復興デパートメント」を立ち上げた。販路を拡大したいという地元企業の声を受けて始め、現在、出店事業者数は約1千に達し、約3千点の商品を扱う。
13日には、ヤフーなどが主催した自転車イベント「ツール・ド・東北」が宮城県で開かれ、約3500人が参加した。震災の記憶を風化させないようにと13年から開いているものだ。
ヤフーは12年から石巻市に拠点を構え、腰を据えて被災地でのビジネスに取り組む。宮坂学社長はその狙いについて「東北と長く関わっていくには、少しでも黒字の事業にして取り組みを大きくしていくことが必要」と語る。
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