ミシェル・ウエルベックというフランス人が書いた「闘争領域の拡大」という本とIKKIの「ビューティフルピープルパーフェクトワールド」。
「闘争領域の拡大」は既に絶版となっており、プレミアが付いているので、日比谷図書館で借りた。
割とセックスしているけどメンタルの状態が良くない中流リーマンが容姿が醜いが故に女に相手にされない同僚を淡々と観察し分析しているお話である。醜い同僚は肌がとても汚いらしく、親近感が湧いた。
ただ、彼は非常に積極的だった。いろいろなスポーツやクラブに参加した。そこで美女に声をかけるのである。しかしダメだ。容姿が醜いから。
みんな、セックス敗者で哀れそうだ。
醜い同僚は娼婦を買うのを拒んでいる。他の男は無料でできて、おまけに愛さえついてくるからだそうだ。
考えてみると本当である。
「容姿だけ好き」になられるというのが辛いというが、「金」よりもずっと素晴らしいし、周りからも褒められそうだ。そして満足できそうだ。
セックスの意味合いがだいぶ変わってくる。容姿なら快楽のためで、金なら労働だ。
愛も快楽の一つだと考えればなるほど、愛はついてくる。
どうにもならない容姿の良くない自分は今日も容姿の醜い女を無視して、美人で勃起するどうしようもない現実にどうしようもなくなってしまうだけであった。