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EU内相会議 難民受け入れ案巡り協議難航も
9月14日 23時23分

中東のシリアなどからヨーロッパを目指す難民が急増している緊急事態を受けてEU=ヨーロッパ連合の内相会議が先ほど始まり、16万人の難民の受け入れを各国で分担することを義務づける案を巡り協議は難航することが予想されます。
ヨーロッパには中東やアフリカから大勢の難民や移民が押し寄せていて、このうち地中海を渡って到着した人の数だけでもことしはすでに43万人に達しています。
この緊急事態を受けてEUは難民の受け入れ数を当初示していた4万人から16万人に引き上げる方針を示し、14日ベルギーのブリュッセルで内相会議が始まり、受け入れの分担を各国に義務づける案について協議が行われます。この案を巡ってはドイツやフランス、イタリアなどが強く支持を訴える一方で、チェコやスロバキア、それにバルト3国などが経済的負担が大きいなどとして反対しています。
ヨーロッパでは人道的な立場から紛争地からの難民を積極的に受け入れるべきだとの声が高まる一方、難民の流入をさらに加速させるのではないかとの懸念も根強く、世論も分かれています。こうした主張の対立を受けて協議は難航することが予想されます。

難民の積極的受け入れ求める

EUの内相会議が開かれたベルギーのブリュッセルでは、市民が難民の積極的な受け入れを求めました。ヨーロッパ委員会の建物の前で行われたこの活動ではヨーロッパに向かう途中で乗っていたボートが沈没し、今月、トルコの浜辺に遺体で流れ着いたシリア人の3歳の男の子、アイラン・クルディくんの絵を描いた大きな壁に、集まった市民たちが「新しい幸せな生活を」といったメッセージを書いたり自分の写真を貼ったりして難民への支援を訴えました。
また、会場には、カナダに暮らすアイランくんの叔母も駆けつけ、「手を取り合い解決策を見つけましょう。心を開いて難民を助けてください」と呼びかけました。さらに会場では、ヨーロッパ各国の首脳に似せたマスクをかぶった人たちによる寸劇が行われ、ハンガリーのオルバン首相役の人が有刺鉄線を張り巡らそうとする様子を皮肉るなどして、難民の受け入れに消極的な一部の国の政策を批判しました。
ヨーロッパに押し寄せる難民を巡っては、積極的な受け入れに賛成する市民と反対する市民のデモが各国で相次いで行われるなど、世論が分かれています。

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