東証:中国懸念で全面安 終値597円安1万9435円

毎日新聞 2015年08月21日 19時08分

 21日の東京株式市場は、中国経済の減速懸念が強まったことを受けて全面安の展開となり、日経平均株価の終値は前日比597円69銭安の1万9435円83銭と、5月8日以来、約3カ月半ぶりの安値となった。終値で2万円を割り込むのは7月10日以来、約1カ月半ぶりで、下げ幅は今年2番目の大きさ。中国やシンガポールなどアジア市場のほか、英国など欧州市場も軒並み株価が下落するなど、景気の先行きへの不透明感から世界中の投資家がリスク回避の姿勢を強め、世界同時株安の様相となった。

 外国為替市場では、米国の利上げ観測が遠のいたことで、当面はドルの金利が上がらないとの思惑からドル売り・円買いが加速。円相場は1ドル=122円台後半と、前日午後5時時点に比べて1円以上の円高・ドル安となった。

 21日の市場は、前日の欧米市場での株安の流れを受けて朝方から売りが先行。中国・上海市場が下落して取引を開始したことに加え、中国の製造業関連指標が市場の予想を下回ったことを受けて、徐々に下げ幅を拡大した。中国の景気減速や円高による業績後退懸念から自動車や電機などの輸出関連株が大きく下落した。東証1部の業種別の平均株価指数は33業種すべてで下落し、東証1部上場銘柄の98%が値を下げた。

 市場関係者の間では、中国の経済対策や米国の利上げをにらみながら、株価は世界的に不安定な値動きが続くとの見方が強い。三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストは「主要市場で唯一堅調だった日本も、世界的なリスク回避の動きに巻き込まれた。投資家の弱気姿勢を反転させるようなきっかけは見当たらず、日経平均株価は1万9000円を割り込んでも不思議ではない」と指摘している。【鈴木一也】

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