北朝鮮:「準戦時状態」宣言 韓国の放送「侵略」と指摘
毎日新聞 2015年08月21日 11時27分(最終更新 08月21日 12時38分)
【ソウル米村耕一】北朝鮮の朝鮮中央通信は21日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記(軍最高司令官)が20日に朝鮮労働党中央軍事委員会非常拡大会議を緊急招集し、前線地域に「準戦時状態」を宣言したと報じた。また、韓国の聯合ニュースは、北朝鮮軍が火力部隊を前線に移動させている、と伝えており、南北間の緊張が高まっている。
朝鮮中央通信は、韓国側が11年ぶりに再開した拡声機による宣伝放送について「対北心理戦は本質的に、露骨な侵略、戦争行為だ」と指摘。あらためて20日午後5時(日本時間同5時半)から48時間以内に放送を中止し、設備を撤去するよう求めた。また、韓国側に20日、砲弾が撃ち込まれた事件についても、「ありもしない事件をつくり上げ、それを口実にして(北朝鮮に)数十発の砲弾を乱射した」と主張、韓国による「捏造(ねつぞう)」だと非難している。
北朝鮮は1993年にも米韓両国による大規模合同軍事演習に対抗して、全国的な「準戦時状態(態勢)」を宣言したことがある。