安保法案17日夜にも成立?攻防は最終局面
安保法案の国会審議が、大詰めを迎えています。野党は14日も政府答弁に納得せず、審議は度々中断。一方、政府与党は早ければ17日の夜にも法案の成立を目指す構えです。与野党の攻防は最終局面となっています。
「国会前にはきょうも安保法制に反対する人々が多く集まっています。子ども連れの家族も参加していて、幅広い世代に反対の声が広がっていることが分かります」(記者)
国会の正門前では、14日も安保関連法案に抗議する座り込みが展開されていました。
「ここで意思表示しないと、本当に後で後悔する」(デモ参加者)
そして門を隔てた国会の中では・・・
「私自身はその点についての報告は受けておりません」(横畠裕介 内閣法制局長官)
「『私自身』なんて、個人の話は聞いてないよ!法制局長官なんだろう?ふざけるな!」(民主党 福山哲郎 参院議員)
95日間の延長を経て戦後最も長い245日間に及んだ今の通常国会。27日の会期末まで2週間を切って最大の焦点安保法案の審議が今週、大詰めを迎えます。しかし、ここまで審議を積み重ねても、なおはっきりしない政府側の答弁に14日も野党が納得せず、審議が再三、中断したり、中谷防衛大臣が答弁の撤回に追い込まれるなどヤジが飛び交う荒れ模様の展開に。見かねた委員長が大声で注意する場面も見られました。
「先ほどの私の発言につきましては誤解を招くもので、撤回させていただきます」(中谷 元 防衛相)
「大事な声が聞こえないの。不規則発言をお互いにやめよう。ちゃんと審議しよう」(参院特別委 鴻池祥肇 委員長)
また安倍総理に向けては総理としての資質を問い質す、こんな質問も飛び出します。
「国民はですね、自分の国の総理大臣は立派であってほしいと素朴にそう思っているんですよ。少し辛口なことを申し上げます。国会審議における総理の態度も誠に残念であります。総理は自分の意に反する意見について謙虚に耳を傾けるという態度に欠け、顔をしかめ、時には乱暴な言葉を吐く。やじについても泰然と受け流す器量が見えない」(民主党 北澤俊美 副代表)
防衛大臣も務めたベテラン、民主党の北澤議員は国会審議での安倍総理の態度を、こう質しました。当の安倍総理は「真摯に受けとめていきたい」と応じる一方で、法案については・・・
「確かに、まだ支持が広がっていないのは事実でございますが、我々はこの法案がですね、もし成立をした暁にはですね、そして時が経ていく中において 間違いなく、ご理解は広がっていくと」(安倍首相)
国民の支持が得られていないことを自ら認めながらも「時が経てば理解は広がる」と強調。その自信の理由は不明ですが、今の国会で法案を成立させたいという強い決意を示しました。参議院での審議時間は14日で90時間を超え、いつ採決するかが焦点になってきます。
政府・与党は17日木曜日に特別委員会で採決。その日のうちか、または翌18日には参議院本会議で可決・成立を目指す姿勢です。ただ、自民党は16日から所属の参議院議員だけでなく衆議院議員にも速やかに国会に集まれる場所に待機するよう求める方針で、衆議院で再可決する「60日ルール」を使う可能性にも含みを残します。
一方の野党側は早期の採決には徹底抗戦する構えで、採決の際に、わざとゆっくり歩くなどして時間を稼ぐ「牛歩戦術」を使う可能性にも触れています。
「かつて先輩方もそういう戦術を使った。国民の皆さんから、むしろそういうことをやれと声が上がってきているのは若干の驚きを持って迎えている。相手の出方を見ながら戦術を考える」(民主党 枝野幸男 幹事長)
採決の日程をめぐり、与野党の攻防はクライマックスを迎えることになります。(14日17:04)
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