乱高下が続いた9月前半の東京株式市場だが、シルバーウイークを挟む月後半も国内外で市場に影響の大きいイベントがめじろ押しだ。日銀の追加緩和や米国の利上げ、中国の指標悪化の有無によって、相場はさらに大きく動きそうだ。
15日まで開かれるのが日銀の金融政策決定会合。中国経済の失速もあって市場関係者の一部で追加金融緩和第3弾への期待も高まっている。黒田東彦(はるひこ)日銀総裁は動く気配を見せていないが、昨年10月末の追加緩和もサプライズだった。
ある準大手証券のストラテジストは「前回の追加緩和を参考にすると、緩和があった場合の日経平均株価の上昇率は約15%、上昇期間はおよそ2カ月と想定できる」と指摘。これをあてはめると、日経平均は2万1000〜2万2000円程度まで上昇する計算となる。
一方、カブドットコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏は「追加緩和は第2弾からほぼ1年後となる10月30日ではないか」とみる。
日本時間18日未明に声明が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切るかにも世界の注目が集まる。前出の準大手証券ストラテジストは「利上げがあった場合、日経平均株価は2割程度の下落が予想されるが、すでに高値から15%も調整していることを考えれば下げ余地は5%程度。半年程度で以前の高値を奪回するだろう」と予測する。
また、株式評論家の植木靖男氏は「米国が利上げする場合、相場の波乱に対応するため、日銀や欧州中央銀行は追加緩和するなど歩調を合わせるだろう」と指摘する。
東京市場はシルバーウイークもあって19日から5連休となるが、連休最終日の23日には、9月の中国製造業購買担当者指数(PMI)が発表される。前回の指数は大幅に悪化し、世界的な株安を招いた。今回は天津の爆発事故の影響でさらなる悪化も予想され、連休明けの株価への悪影響にも要警戒だ。
もっとも、日経平均は8日の取引時間中に付けた1万7415円で底を打ったとの見方も。前出の河合氏は「10月の中間決算発表前に二番底を付けた後、年末に向けて上昇し、(年初来高値水準の)2万0900円台を回復する余地がある」。植木氏も「来年2月ごろまでに2万1000〜2万2000円まで上昇する」と強気の予想だ。