トップページ社会ニュース一覧阿蘇山の噴火続く 広範囲で降灰観測
ニュース詳細

阿蘇山の噴火続く 広範囲で降灰観測
9月14日 18時38分

阿蘇山の噴火続く 広範囲で降灰観測
k10010234191_201509141839_201509141840.mp4
熊本県の阿蘇山では14日午前、噴火が発生し、噴煙が火口から2000メートルまで上がり、火口周辺で大きな噴石が飛んだことが確認されました。阿蘇山ではその後、噴火が連続して発生していて、気象庁は噴火警戒レベル3の「火口周辺警報」を発表して、中岳第一火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、14日午前9時43分ごろに阿蘇山の中岳第一火口で噴火が発生し、噴煙の高さが火口から2000メートルまで上がり、火口周辺に大きな噴石が飛んだことが確認されました。
噴煙の高さが火口から2000メートルに達したのは、21年前の平成6年の噴火以来で、気象庁は午前9時50分に噴火速報を発表するとともに、今後も同じ規模の噴火が発生する可能性があるとして午前10時すぎに火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルをレベル2から入山規制を示すレベル3に引き上げました。
その後、気象庁が行った上空からの観測では、火口から北へおよそ1キロ、南東へ1.3キロの範囲で灰が降り積もるなどして、色が変わっていることが確認されたということです。また、火山灰は主に西の方角に流れ、阿蘇山から西へ40~50キロほど離れた熊本県の山鹿市や玉名市、それに熊本市でも降灰が確認されたということです。
一方、今回の噴火について、気象庁は午前中の会見で、火砕流が発生した可能性があると説明しましたが、調査では火砕流が流れ下った範囲や大きな噴石が飛んだ距離などは確認できなかったということです。また、阿蘇山では今月11日ごろから火山性微動の振幅が大きい状態が続いていましたが、今回の噴火のあと、午前11時ごろから振幅は小さくなっているということです。
阿蘇山ではその後も連続して噴火が発生していて、気象庁は今後も同じような規模の噴火が発生するおそれがあるとして、中岳第一火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒するとともに、風下では火山灰や小さな噴石に注意してほしいと呼びかけています。

約50キロ離れた場所でも降灰

熊本地方気象台が午後4時までに熊本県内の市町村役場や学校などに電話で聞き取ったところ、阿蘇山の西側にある合わせて11の市町村で、降灰が確認されました。阿蘇山に近い阿蘇市と南阿蘇村のほか、山鹿市、熊本市、菊池市、合志市、大津町、菊陽町、西原村、玉東町、玉名市で、このうち玉名市は、山からの距離がおよそ50キロと最も離れていますが、車のフロントガラスにうっすらと火山灰が積もっているのが確認されました。
また、阿蘇山からおよそ40キロ西の熊本市西区にある熊本地方気象台では、1平方メートル当たり0.4グラムの火山灰を確認されたということです。
熊本地方気象台の佐藤孝久火山防災官は、「気象台で観測された灰はごく僅かだが、きょうは東よりの風が数メートル吹いていたので、県内のほかの地域ではより多くの灰が降った可能性がある。健康への影響も考えられるのでぜんそくを持っている方などはマスクをするなど注意してほしい」と話していました。

関連ニュース

このページの先頭へ