『武雄市図書館“ずさん選書”で反省』文字起こし
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本日2015/09/14にテレビ朝日で放送された『モーニングバード』にて、武雄市図書館選書問題が取り上げられたので、それの文字起こしを行いました。番組を観ることができなかった方の参考になりましたら幸いです。

選書問題関連リンク

出演者

羽鳥慎一(フリーアナウンサー/総合司会)が今週夏休みのため、小松靖アナウンサーが代打登板となっています。

  • 小松靖(テレビ朝日アナウンサー/総合司会)
  • 赤江珠緒(フリーアナウンサー/総合司会)
  • 石原良純(タレント/月曜コメンテーター)
  • 住田裕子(弁護士/月曜コメンテーター)
  • 大西洋平(テレビ朝日アナウンサー/コーナー担当)

インタビュイー(録画出演)

  • 井上一夫(武雄市・歴史資料館を学習する市民の会代表)
  • 川原敏昭(武雄市・歴史資料館を学習する市民の会)

文字起こし全文

大西:そろそろ読書の秋、ということにもなるんですが、ここで問題勃発です。えーこちらはですね、2年前民間業者に運営を委託してリニューアルオープンした佐賀県武雄市の図書館なんですけども、えーその際、税金を使って本を1万冊以上買え揃えたんですが「なぜ、その本が?」という風な批判の声が上がっているんです。

武雄市民Aさん(女性):私には無用だと思います。
武雄市民Bさん(男性):なぜWindows95とか、ちょっと……はい、首をかしげてしまう……。

ナレーション:市民からも疑問の声が上がる、本の選び方。
川原:埼玉のラーメンの本ですとか、Windows98の本ですとか、非常に違和感を覚えました。

テロップ:『1000km離れたラーメン店のガイドブック』
ナレーション:佐賀県武雄市から遠く離れた、埼玉県のラーメン店ガイド。他には……。
テロップ:『15年前のパソコンガイド』
ナレーション:さらに購入された本の中には、あきらかに今となっては使いづらい実用書も、多数含まれると言います。
ナレーション:武雄市図書館は、(2013年4月)当時日本で初めて、民間企業が運営に関わるということで、注目を集めました。館内には、カフェやレンタルソフト店も併設され、異色の佇まい。蔵書は20万冊を謳っていました。

井上:でたらめと思いますね。一山いくらで買ってきて、それを並べた。

ナレーション:しかし、今なぜこうした騒動になってしまったのでしょうか。市の教育委員会から、意外な理由が明らかになりました。

(CM挿入)

ナレーション:市民から税金で、無駄な本を買っていたと批判されている、佐賀県武雄市の図書館。

武雄市民Cさん(男性):税金を使っていらっしゃるんで、ちゃんとみなさんしてほしいと思いますよね。みんなのためになる本を置いてもらうように。

ナレーション:市の教育委員会によると、中古の本を大量購入したのは、本棚の高いところから本が落ちないように、安全対策をする費用が発生し、購入費用を抑えなくてはならなくなったからだと言います。
ナレーション:この図書館の運営を請け負っていて、TSUTAYAを展開する、カルチュア・コンビニエンス・クラブは、こう謝罪をしています。

ナレーション:より精度の高い選書を行うべき点があった事を反省しております。

大西:まぁということで、市民のみなさんもねなかなか困惑の表情といったところもあったんですけども、
小松:ええ、はい。
大西:その中で佐賀県武雄市の図書館、2年前リニューアルした際に、買い揃えた本の中、首をかしげてしまうような本ちょっと他にもこんなものがあったというのをご紹介してまいりましょう。

大西:え、まずこちらパソコンなんかで使います表計算ソフトのテクニック解説書、これなんて使えるんじゃないかなと
小松:いいじゃないですかね。
赤江:うん。
大西:思うんですが、ところがこれ実は、2000年から2003年のバージョン。
住田:旧世代……。
石原:去年の(聞き取れず)
赤江:うーん。
大西:そうなんですですから当然ね、使うパソコンもいろいろと変わってしまっていますので、まぁどれほど役に立つものかどうかということなんです。そして、子どもと行く日帰り旅行ガイド本、これもじゃぁ見る人いるかなと思うんですが、これ、関東版であると。
住田:ない……(苦笑)
大西:まぁ佐賀県武雄市ですから、じゃぁ、関東の日帰り旅行ガイドというのが果たしてどこまで必要だったのかということですね。
小松:そうですね、はい。
大西:そしてVTRにも少し出てきました、埼玉県内の、えー、ラーメン店ガイドブック。これが非常に充実しているというところなんですが、ちょっと気になるポイントというのもありまして、1・3・7巻、そして12巻以降がない。ま、間々で入っているということで、まぁなんともこれも不揃いな形になってしまっているということなんですねぇ。

大西:えー今回批判が相次いでいることに対しまして、えー運営会社側、そのコメントと対応なんですがこういったことがあります。より精度の高い選書、まぁ書物を選ぶ本を選ぶということを行うべき点があったということを反省していますと、いうことで、えーこのリニューアルオープン以降一度も借りられなかった1630冊については、それと同じ数を新たに、選びなおして寄贈しますと、いうふうに対応策をえー、話しております。
赤江:ふーむ。
大西:ま、では、これで問題解決かということにもなるんですが、そうでもないんじゃないかというところ。えー専門家、糸賀教授にお話を伺いました。えー専門、図書館の本質をわかっていないということなんですね。どういうことか。一度も借りられないからその分を新たに選書すると言ってますけども、一度も借りられなくても、文化を保存する役割というのが図書館にはあるんです。
小松:はいはいはい。
大西:ですから、借りられるかどうかという部分が重要ではない。
小松:うん。
大西:問われているのは、武雄市図書館として、体系だった蔵書を作ろうとして選書していたかどうか。うちの図書館は、「こういう部分を本を選ぶときには大事にしてますよ」という考えがどこまであったのか、それが大事なんですよと。
小松:これそう考えたら赤江さん、このへん、なんかちょっとあの、でもね、例に出てきた3つの合ってないなと思いますし
赤江:そうですねぇ、オープンした時すごく話題になった図書館でしたけれども、今どっちかと言うと、質より……量、みたいな方に目が行ってしまい……
住田:しかもね、これ、市民からは、この業務委託自体が違法だったという裁判になっているぐらいなので、やっぱりその、あの違法性を問われることにもなってるんですね。
石原:これ実際どうなんですか、市民のみなさんは、良くなったと思ってるんですか。
大西:あのー、ま、もちろんこちらの武雄市図書館を利用されてる方もたくさんいらっしゃいます。あのこの、
石原:以前より良くなった使いやすくなったとか、居心地良くなったとかどうなんですかねその
大西:……いう風に感じてる方もいるのは、間違いないと思います。ただ、その中で、果たしてこういったものが適切だったのかどうか。やっぱりその図書館としての理念という部分というのはね、もう一度考えなおす必要がもしかしたらあるのかも……
小松:これ、やっぱり税金、ですからね。
大西:そうですね。税金で購入したということですからね。
小松:疑問に思うのは当然かなという風に思いますね。
大西:はい。以上、ニュースアップでした。

これまでは「賛同意見の裏に批判もあるようですが」というような報道のされ方でしたが、今回は180度ひっくり返り「批判の裏に賛同する意見もありますが」という真逆の報道となっていたのが印象深かったですね。「図書館とはどういうものか」にフォーカスされた、良い取材だったかと思います。

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