ウッチャンは懐が広いが、本音を出さない。

先日『コントに捧げた内村光良の怒り』を刊行したてれびのスキマさんと、歌人で小説家ながら深夜ラジオのパーソナリティーも務める加藤千恵さん。お互いテレビバラエティ好きとして親交があったお二人が、ウッチャンナンチャンで知られる内村光良さんについての愛を語り合います。デビュー30周年、「第三の全盛期」を迎えたウッチャンが産み出した数々のコント番組の魅力とはなんなのでしょうか?
cakesでは『コントに捧げた内村光良の怒り』から一部を特別掲載。こちらも併せてお楽しみください!

加藤千恵(以下、加藤) お久しぶりです。初めてお会いしたのは、共通の友人の女性が主催してくださった……。

てれびのスキマ(以下、スキマ) そうそう! 3年ぐらい前の、テレビ好きが集まる飲み会。

加藤 なのでテレビバラエティ好きのお友達として仲良くさせていただいてます。

スキマ ホントに加藤さんは別け隔てない感じで接してくれて、ありがたいです。

加藤 最近スキマさんは色んなところでテレビコラムを書かれてますよね? ウェブだけでなく、雑誌の『テレビブロス』などでも。「ここにもスキマさんだぁ……」って感じで。

スキマ ありがとうございます。

加藤 ますますのご活躍でうらやましいです。

スキマ 僕はお会いする前から一方的に加藤さんのこと気になってたんです。枡野浩一さんが好きなので、彼の番組や著書で加藤さんの名前をお見かけして知って、『土曜の夜はケータイ短歌』シリーズ(NHK)とかも好きで。今は、「パトロン」です。
※パトロン:『朝井リョウ&加藤千恵のオールナイトニッポンZERO』(ニッポン放送 金曜深夜3時〜)リスナーの愛称

加藤 すごくうれしいです。私のスキマさんの印象は、ご本人の人柄もそうだし、書く文章も全部「テレビ愛」にあふれてる。

スキマ 好きなことを好きって書いてるだけですけどね。

加藤 物事のマイナス面、特にテレビに関してだとそういうゴシップ的な部分を強調するほうがやりやすいのに。本当に根底に愛を持って書いてるから、「何て素晴らしいんだ!」って、いつも感動してます。たとえば、『ミレニアムズ』のこととか……。

スキマ (苦笑)。好みじゃない番組や企画についてはあんまり書かないだけで。

加藤 でも、それを書かないってすごいことだと思うんですよ。こういう仕事、テレビに関して思うことを発信されてる立場で、書いてることもそうだし、書かないっていうことも私はすごく尊敬するというか素敵なスタンスだなぁ、っていつも思ってます

スキマ ありがとうございます! 批判的なことを書くときは絶対ユーモアが必要じゃないですか。そうしないとただの悪口になっちゃうし、単純に読み物としておもしろくない。で、僕自身にユーモアセンスがまったくないんで書けないっていう。

加藤 え、そんな風に思ってるんですか?

スキマ できる方向性を探った結果、現在のようなスタイルになりました。

加藤 それはブログを書き始めたときから決めてたんですか?

スキマ そうですね、僕が書き始めた2004年頃は、テレビ番組のことは批判するものっていうのがネットの基本的なスタンスだったんで、逆に僕はいいことだけ書こうって。

伝説の番組『夢で逢えたら』

加藤 6月に刊行された本(『コントに捧げた内村光良の怒り』)は、ウッチャンナンチャンの内村光良さんの話がメインですよね。本の最初と最後を内村さんの章にする、っていうのはスキマさんが決められたことなんですか?

スキマ そうですね、2014年4月に有吉さんの(『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか』)を出版した時点で、次にやるならウッチャンだと。

加藤 有吉さんとのバランス的なこともあるんですか?

スキマ いえ、そうではなくて、今の時代に取り上げるべき芸人さんは内村さんしかいないだろうと。

加藤 あとがきでも書かれていたように、スキマさんにとって内村さんは大きな存在なんですね。

スキマ はい。

加藤 もちろん、私も内村さんは小さいころから拝見してるんですけど、スキマさんほど影響を受けたり、熱中して見たっていうのがあんまりなくて。だから、ハマったきっかけを知りたいです。

スキマ 最初に内村さんをハッキリ意識したのは『夢逢え』です。でも、世代的には結構ギリギリなんですよ。

加藤 『夢で逢えたら』! 憧れがある番組なんですよ。ご覧になっていた方はみなさん言うじゃないですか、「伝説的な番組だった!」って。

スキマ 1978年生まれの僕の世代でやっと、最後にあたる時期をギリギリ見れたんです。内容自体はそんなに記憶がないんですけど、ウンナンにダウンタウン、清水ミチコ、野沢直子がレギュラーで、何だかカッコいいってイメージを記憶してます。初めてお笑い番組を見て「カッコいい」っていうのを意識した感じです。

加藤 覚えてるコントとかありますか?

スキマ 「いまどき下町物語」ってシチュエーションコメディが好きで、かろうじて覚えてますね。

加藤 全然イメージできないのが悔しい(笑)。

スキマ 浅草の根津の職人の家が舞台なんですよ。そこに出入りする松本人志さんが演じたヘビ人間の警察官が特にインパクトがあって。顔にヘビの鱗の模様がメイクでついてるキャラ。

加藤 うんうん。

— ええと、浜ちゃん(浜田雅功)が一家の大黒柱の頑固オヤジ役をやっていたみたいですね。お母さん役は……

加藤 レギュラーの中で考えていくと、清水ミチコさん?

スキマ たしかそうです! 内村さんと松っちゃん演じるヘビ人間の警察官「ガララニョロロ」がいわゆるボケ役で。

加藤 二人とも蛇なんですか?

スキマ 村さんはヘビ人間とかじゃなく、普通の意地汚い感じのおじさんですね。で、居候的立場で浜ちゃん一家に邪険にされるっていう。本でも触れましたが、この村さんのキャラクターが内村さんがキャラクターコントに目覚めたきっかけだっていうふうに言ってますね。

加藤 今聞いてて、私、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)がすごく好きで育ったので、『トカゲのおっさん』のコントを思い出しました。ヘビとトカゲって共通するし、ダウンタウンにとっては原点なのかな。

スキマ そういう趣向はあるかもしれませんね。

ウッチャンは本音を出さない

加藤 本でも触れられている、ウッチャンナンチャンが土曜8時に進出した『やるならやらねば!』の特別感はなんですか?

この続きは無料会員登録すると
読むことができます。(10秒で完了)
cakes・note会員の方はここからログイン
facebookで登録する
twitterで登録する

※あなたのタイムラインにcakesから投稿することはありません。

twitter

choco_holic 好きな人しか出てこない嬉しい対談[無料記事]ウッチャンは懐が広いが、本音を出さない。|ウッチャン・プロデュースの術中――加藤千恵×てれびのスキマ|加藤千恵 @katochie1110 |cakes(ケイクス) https://t.co/VqZdrdIZjW 17分前 replyretweetfavorite

u5u 【告知】『コントに捧げた内村光良の怒り』のプロモーションにかこつけて、加藤千恵さんと対談させていただきました!/ウッチャンは懐が広いが、本音を出さない。|ウッチャン・プロデュースの術中――加藤千恵×てれびのスキマ|加藤千恵 https://t.co/Bk32rzVSxR 約1時間前 replyretweetfavorite

pmlight033 [無料記事]ウッチャンは懐が広いが、本音を出さない。|ウッチャン・プロデュースの術中――加藤千恵×てれびのスキマ|加藤千恵 @katochie1110 |cakes(ケイクス) https://t.co/MNWR4T9rfh 約1時間前 replyretweetfavorite

atsuko_jasmine [無料記事]ウッチャンは懐が広いが、本音を出さない。|ウッチャン・プロデュースの術中――加藤千恵×てれびのスキマ|加藤千恵 @katochie1110 |cakes(ケイクス) https://t.co/QyMxgGw6kP 約2時間前 replyretweetfavorite

TOP