演技直前の6分間練習が好調だっただけに、羽生には残念な結果となった。後半から冒頭に移した4回転トーループは、現在の状態で決して自信があるジャンプとはいえない。結果を残すための選択だったが、練習不足からくる失敗だった。
後半の連続3回転のミスには驚いた。体力を使い切り、スタミナ不足に陥ったのではないか。
3位の村上とは僅差で十分に逆転可能だ。前半の4回転で無理は禁物。基礎点が1・1倍になる後半にはトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が2発あり、一気に得点を稼げる。4回転にこだわる気持ちは理解できるが、4分30秒の演技全体を考えてほしい。 (1976年インスブルック五輪代表、1977年東京世界選手権銅メダリスト)
(紙面から)