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日本株は「米国利上げ見送り」ならどうなるか

東洋経済オンライン 9月13日(日)6時0分配信

 今回のコラムでは、改めて大調整の理由付けもしたわけたが、筆者の本心は、「空売りファンドの仕掛けがハマっただけのこと」だと思っている。プログラム売買の荒っぽい値動きがそれに拍車をかけただけだ。

 自民党総裁選での無投票当選が決まったことで、安倍晋三内閣の「後三年の役(戦い)」がスタートしたわけだが、大きな相場が作られる時は安定政権の時が多い。平成バブル相場も、1985年のプラザ合意での外圧が原因と言われるが、直前の中曽根内閣の5年間の安定が大きく影響していると思っている。近年まれにみる安定政権になりそうな、安倍政権とアベノミクス。本領発揮はこれからだ。

■ 「大相場の可能性」がさらに高まる

 今後の相場だが、異次元バブル大相場の可能性がさらに高まったと筆者は考える。アメリカが利上げをすると言っても、現在の通貨供給量を一気に絞り、さらに急速に吸い上げるということではない。

 特に来年は大統領選挙の年である。現在の景気を維持するために、現行の通貨供給量は維持されよう。しかも、ECBや日銀の資金供給量は増えることはあっても、減る事はないだろう。中国もしかりだ。エンドレスな異次元緩和が引き起こす金融相場を考えた時、今回の波乱は、その資金供給量増額の催促相場になっただけではないか。

 一方、下値で鯨(GPIFなど)は動いた。だが1万8000円は買うが、2万円は買ってくれないようだ。いったん壊れた相場の修復には時間がかかるが、予想外な戻りがあるとしたら、セントレジャーデーを終えて戻って来る外国人投資家の「大人買い」だ。

 予断を許さないFOMCだが、本当に面白いFOMCでもある。今週(14〜18日)の日経平均予想レンジは、1万7750円〜1万9250円としたい。予想にならないくらいの広いレンジだが、1日で1300円以上も動いた翌週なので、許して頂こう。

平野 憲一

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最終更新:9月13日(日)6時0分

東洋経済オンライン

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