人と連携し、人をリードする。
その難しさの中にビジネスのダイナミズムがある。
立命館大学
あきらめずに主張し続けたことが成果につながった
津波で多くの方が犠牲になった東日本大震災。その教訓を踏まえIHIでは今、津波救命艇を開発している。定員25人で、時速36㌔のスピードで衝突しても船体が壊れない設計になっている。水や食料品を積んでおけば7日間水上で漂流しても安全な状態でいられるという。高台や津波避難ビルなどがない地域で、迅速な避難が難しい高齢者や幼児の利用を想定したものだ。
(2004年 国際関係学部卒業)
株式会社IHI
同社は2013年、日本で初めてこうした津波救命艇を開発した。今開発しているのはそのモデルチェンジ版。文系出身のエンジニアではない日下由香さんが開発チームのリーダーを務めている。
「今回は初号津波救命艇のお客様の声をしっかりお聞きして、居住性や使い勝手を向上させています。文系出身ということで、計算した結果だけでなく、お客さまのニーズにとことんこだわり提案し続けたことが良かったと思っています」
と言う日下さんが例に挙げたのは、初号にはなかったユーティリティルームをつくったこと。緊急時には見ず知らずの人同士が限られた空間で一緒に長時間過ごすことになる。「たまには、一人になりたくなることもあるのでは」女性としてそう考えた日下さんは、ユーティリティルームの設置を提案した。他のスペースが狭くなるという理由でチームには反対するメンバーもいた。それを説得し、あきらめずに主張し続けたのだ。結果的にはこの空間が緩衝スペースとしての役割も果たし、対衝突安全性を高めることにもつながった。
人の協力を得るのもマネジメントのうち
もちろんプロジェクトリーダーに求められるのは自分の主張を通すことではない。チームをまとめ、ベクトルを合わせてプロジェクトを成功させるのが最大のミッションだ。
日下さんは数年前、ベトナムで新工場の計画づくりを任されたことがあった。しかしこのときは「自分が取りまとめる立場だから」という思いが強すぎて全部を自分でやろうとし、チームのメンバーや周辺の協力者を巻き込めずに苦労した。今回はそのときの経験が生かせているという。
「自分にはできないことを明確にし、人の協力を得ることも大事。誰に何をいつまでに実行してほしいか、きちんと伝え、マネジメントするという点で、以前と比べたら少しは成長できた実感があります」
3年前にはトルコにも赴任した。海外での仕事を経験し「大学で異文化コミュニケーションについて勉強したのがよかった」と改めて思った。
日本の優れたインフラ技術を海外にも展開し、人々の生活を豊かにしたいと考えたのがIHIを選んだ理由。決め手になったのはOB訪問で出会った立命館の先輩が、生き生きと働き、輝いていると感じたことだった。
そんな日下さんはまだ気づいていない。日下さんの活躍ぶりに感銘してIHIを選ぶ後輩が近い将来出てくるかもしれないことに。
今年50周年を迎えた産業社会学部では第一線で活躍する方々を講師に迎え、10年にわたり、音楽関連団体共同寄附講座を開催しています
2015年5月15日
「レーベルとは!」
音楽関連団体共同寄附講座ではゲスト講師としてワーナーミュージック・ジャパン代表取締役会長兼CEOの小林和之氏を迎えた。レーベルの歴史と役割について講義をし、優れたA&R(アーティスト&レパートリー)の重要性と、低迷傾向にあるレコード産業におけるレーベル改革の必要性を説いた。若い力がレーベルに改革をもたらす、そのための門戸は開いていると奨励し、受講生からは今後の音楽産業に対する期待の声が多く上げられた。
詳細は下記HPに随時更新中。
http://www.ritsumei.ac.jp/ss/education/professional/pro04.html/