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 参院で審議中の安全保障関連法案に反対して8月30日に国会議事堂前で行われた大規模デモをめぐり、橋下徹大阪市長が「サザンのコンサートで意思決定する方がよほど民主主義だ」とツイッターでつぶやくなど、政治家の発言が相次いでいる。4日、再び国会前に集まった人たちは、どうとらえたのか。

 「日本の有権者数は1億人。国会前のデモはそのうちの何パーセントなんだ?」。橋下氏はデモの翌日の8月31日、ツイッターでつぶやいた。

 30日のデモは日比谷公園や霞が関周辺に集った人も含めて主催者発表は12万人。参加者があふれ、警察側が国会前の車道を開放する異例の事態になった。警察関係者は国会周辺だけで約3万3千人とするが、車道を埋めた群衆の光景は海外メディアも含めて大きな話題を呼んだ。

 橋下氏は3日の定例会見で発言について記者から問われ、「日本の国は選挙で選ばれた国民を代表する代表者によってちゃんと国を動かしていきましょうよと憲法前文に書いている。そこは僕はしっかり守っていきたい」と話した。

 デモをめぐっては、与党の国会議員の間でも「いたずらに興奮とポピュリズムを巻き起こすものなら好ましいと言えない」(谷垣禎一・自民党幹事長)といった否定的な発言が目立つ。

 だが、8月30日のデモの光景を目の当たりにした議員の中には、重く受け止めるべきだという声もある。自民党総務会では1日、デモが話題に上り、丹羽雄哉元厚相が「これまでデモにあまり関心のなかった人まで参加し、声を上げていた」と発言し、より丁寧な説明の必要性を強調した。二階俊博総務会長によると、「国民の理解がまだ深まったとはいえない」「国民が安心できる答弁を政府に求めたい」といった意見も出たという。